両親の自殺を手助けした自殺ほう助の罪に問われた歌舞伎俳優・市川猿之助被告について、脚本家・三谷幸喜氏が10月21日放送の「新・情報7days ニュースキャスター」(TBS系)で賛否を呼ぶコメントを残している。
番組では、20日に行われた猿之助被告の初公判の模様を伝え、検察側が懲役3年の求刑をしていることを紹介。判決は11月17日。濃紺のスーツにネクタイ、白シャツ姿で入廷した猿之助被告は、裁判長から職業を聞かれ、「歌舞伎俳優です」と答えると、被告人質問の場で「歌舞伎が自分の存在そのもの」だと説明。検察からも「許されるのであれば、歌舞伎で償っていきたい」との供述調書が読み上げられていた。
番組メインキャスターの安住紳一郎アナから、「ずっと仕事をご一緒されてきた三谷さんもこのニュース、注目していたと思いますが」と意見を求められた三谷は、「まぁ、彼は今後の人生で、彼がやってしまったことを償っていかなければならないんですけども…」と切り出す。続けて、「その上で、個人的な想いとしては、彼が『職業は?』と聞かれて、『歌舞伎俳優です』と答えたのが…嬉しかったですね」と語っていた。
「猿之助被告は自身の私生活におけるセクハラ・パワハラ疑惑が週刊誌に報じられたことを機に、両親に向精神薬を服用させて自殺を手助けしたとされています。当初は自分の命も絶とうとしたものの、結果的には週刊誌報道とは本来無関係な両親だけが亡くなり、当事者である猿之助被告のみが助かる形になってしまいました。これには多方面から様々な声が寄せられており、今も歌舞伎界への復帰を望んでいることに加え、“歌舞伎俳優”を名乗ったことに『嬉しかった』と述べた三谷氏にも批判が殺到。人をあやめることの手助けをしたという罪への認識が、世間とあまりにもズレすぎているとして『やっぱり感覚が違うんだな』『嬉しいと思うのは勝手だけど、事件の概要からして、公の場で発言するのは相応しくない』『この発言は意味不明』『殺人とほとんど変わりませんよね』などの声が出ています。また、この三谷氏の言葉を受け、安住アナもリアクションに困ったのか、微妙な表情となり、スタジオに不思議な空気が流れていました」(テレビ誌ライター)
同じ芝居の世界に身を置く三谷氏にしてみれば、今も復帰を熱望する“同志”の姿に思わず熱くなったのかもしれないが、いずれにせよ、なかなかコメントが難しい問題だったといえるだろう。
(木村慎吾)