フィギュアスケートグランプリシリーズフランス大会が11月12、13日(日本時間)行われた。ファイナル進出を賭け、注目の浅田真央選手が参戦した。
ショートプログラムを終えた浅田選手は、ジャンプが決まらず8位発進。フリーでの巻き返しが期待されたが、3回転ジャンプは一度も正確に着氷できず、2回転になった失敗が4度あり、結果は9位。精彩に欠けた演技は、シニアになってから自己ワーストの成績だった。
試合後、記者からマイクを向けられると号泣した浅田選手は「悔しさもあるし、ガックリだったり、ふがいなさだったり‥‥」と肩を落とし「自信を失った。また一からつくり上げないといけない」と、反省の弁に終始した。
浅田選手は昨季から左ひざの故障を抱えており、その痛みが演技に影響していると思われる。
しかし、スポーツライターは「故障だけではない」と言う。
「石橋を叩いても渡らないほど慎重派の佐藤信夫コーチと、自分の限界に挑む高難度の演技を目指す浅田とは、今までも意見の相違がありました。何しろ体を痛めても練習しようとする浅田を止めるのにコーチは大変だったし、トリプルアクセルを回避するように言っても聞かない時もあった。今回はそのジャンプをあきらめたので、よほど膝が痛いんだろうと思いました。競技直前も、言葉を交わすことなく、笑顔もなく送り出しているのを見ると、もしかしたらコーチは競技に出るのも無理じゃないかと思っていたのでは‥‥」
ファンは、演技を終えて嬉し涙を流す浅田選手を見たいに違いない。