ある意味で歴史に残るNHK大河ドラマになったと言われている、12月17日に最終回を迎えた「どうする家康」。12月23日の最終回の再放送でほぼ見納めだが、かつて何度も題材にされた徳川家康の生涯を新たな切り口で描き、それを活動休止中の嵐・松本潤が演じることで注目されていた作品だった。しかし、多くの視聴者が視聴継続から脱落。というのも、有能な家臣たちが、悩んでばかりのプリンス・家康をなぜ盛り立て守ってきたのか、最後までわからないまま幕を閉じたからだ。
「最終回で話題になったのは主演の松本というよりは、小栗旬、寺島しのぶ、松山ケンイチの演技でしたね。小栗は誰かわからないほどの特殊メイクをして通称・天海こと南光坊天海として初登場。寺島は『どうする家康』のナレーターだったはずが福(春日局)として登場して家康の長男・信康の幼少期を演じた実の息子の尾上真秀とのドラマ共演を果たした形です。また、本多正信役の松山の老年になってからの演技も称賛されていました」(テレビ誌記者)
最終回で、小栗ら3人が、主役の家康を1年間演じた松本よりも話題になっていることは、もしかすると松本にとっては不幸中の幸いだったのかもしれない。なぜなら「今年の大河は脚本がひどかった」ことで、松本の演技力を批判する声が少ないからだ。
「視聴者からは、『どうする家康』の脚本を書いた古沢良太氏に対し『2度と時代劇に手を出すな』とネット上で怒りの声が相次いでいるようです。というのも、古沢氏は今年1月に公開された木村拓哉主演の映画『レジェンド&バタフライ』でも、新たな切り口で織田信長と濃姫の関係を描くとして、重厚な歴史物語ではなく壮大なラブストーリーにしたことで、ブーイングの声が少なくなかった。木村主演の『レジェバタ』も松本主演の『家康』も、かつての古沢作品である『リーガル・ハイ』シリーズや『コンフィデンスマンJP』シリーズ(いずれもフジテレビ系)のような痛快な面白さがなく、古沢氏は時代劇が苦手なのではないか、歴史を踏まえながら新しい切り口を見つけることに無理があるのではないか、などと批判されています」(女性誌記者)
奇しくも両作品とも「STARTO ENTERTAINMENT」に所属し、多くのファンを抱える俳優の主演作。古沢氏にとってこの2作品の脚本を書いたことが、黒歴史として定着し、後々の仕事に響くことのないよう次作での巻き返しをはかっていただきたいところだ。