【ブギウギ】愛助のカメラは国産…時代考証の微妙な甘さが気になる!

 冒頭のシーンに注目する視聴者も多かったようだ。

 1月25日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第80回では、ヒロインのスズ子(趣里)と恋人の愛助(水上恒司)が箱根旅行をエンジョイ。芦ノ湖畔で戯れる姿をお互いにカメラで撮りあう姿はまるで、新婚夫婦そのものだ。

 その後、スズ子の妊娠が発覚。結婚前とあって愛助の母親で村山興業社長のトミ(小雪)は激怒していた。そんな展開のなか、大きな注目を集めたのが愛助のカメラだったという。

「当時のカメラは超高級品。愛助は35mmフィルムカメラを使っており、その価格は現在の数百万円に相当する代物です。若い男女がキャッキャと湖畔で戯れているだけのように見えつつ、愛助が村山興業の御曹司であることを再認識させる場面となっていました」(テレビ誌ライター)

 そうなると気になるのは愛助が使っていたカメラの機種だ。視聴者からは<ライカでは?><バルナック型かな>といった声もあがっていたが、画面に映っていたのはキヤノン製。戦後間もない当時はまだ精機光学研究所という旧社名だったが、カメラ製品には「キヤノン」のブランド名を冠していたのである。

 キヤノンは戦前から35mmフィルムカメラを製造していたが、作中に登場したのは戦後のモデル。視聴者からは、過去の朝ドラにも登場した「IV Sb型」と予想する声もあった。だた同モデルにはカメラの側面にフラッシュを装着するX接点があり、作中のモデルにはないことから、どうやらさらに古いモデルを使っていたようだ。

 ファインダーの形状などからおそらく「II B型」や「III 型」が使われていた可能性が高い。しかしそうなると、時代考証の面で問題が出てくるというのである。

「作中の時代設定は昭和21年ですが、『II B型』の発売は昭和24年になってから。昭和21年には戦後普及型と呼ばれる『J II型』や戦後最新型の『S型』などが発売されていましたが、ファインダーの形状が微妙に異なるのです。せっかく昭和20年代のカメラを小道具として使うのであれば、時代設定にはしっかりと気を遣ってほしかったですね」(前出・テレビ誌ライター)

 古いカメラはアンティークとして高価なため、用意できなかったのでは…。そう考える向きもあるだろう。しかし戦後のカメラは昭和20年代の製品でも意外に流通量が多く、中古カメラ市場では4万円程度で取引されている。すなわち制作側がその気になれば、昭和21年製のカメラを調達することは難しくなかったのだ。

 ともあれ朝ドラでは時代考証の甘さが叩かれがちで、3作前の「ちむどんどん」では史実に完全に反する描写が猛批判を浴びたもの。その反省なのか、前作の「らんまん」ではわりと時代考証がしっかりしており、評価を高めていた。

 それがまたもや「ブギウギ」で逆戻りしてしまったのか。今後も昭和20年代前半の場面が長く続くであろう本作で、制作側の姿勢が問われることとなりそうだ。

※画像はイメージです。

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