その話題性ほどには、取材攻勢が盛り上がっていないようだ。
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が世界を揺るがした。2月29日にインスタグラムで結婚を発表。翌3月1日には記者会見に応じ、「初めて会ったのは3年、4年くらいですかね」などと、お相手の情報を明かしたもの。
気になるお相手については「日本人の一般女性」という以上の情報はなく、大谷の記者会見でも相手の素性に関する質問はほとんどなし。マスコミ陣すら大谷に気を遣って直接的な質問は遠慮しているようだ。
一部のメディアでは、バスケットボールの日本代表歴を持つ元選手の名前を挙げているが、積極的に追求する様子は見られない様子。ゴシップ系のネット掲示板でも参加者からは<個人名を出すな!><煽るのはやめよう>などと、お相手の特定を諫める声が多数あがっているほどだ。
「この状況は、昨年8月に結婚を発表したフィギュアスケート羽生結弦選手のケースとは真逆と言えるでしょう。羽生もSNSで発表し、お相手の情報は一切明かしていなかったものの、マスコミはもちろんファンの間でもお相手探しが白熱。すぐ特定されたうえに取材合戦がヒートアップし、わずか105日で離婚に至りました。その理由も取材やストーカーから自分たちを守れないからというものであり、いわばファンが羽生夫妻を追い込んだようなものです」(芸能ライター)
大谷の場合、アメリカを活動拠点としていることから取材がしづらい点は否めないものの、相手を意識するようになったきっかけとして、日本国内で何度も出会っていたことを認めている。
日本でもアメリカでも常に周囲からの注目を浴びる大谷ゆえ、何もかも隠し通すのは難しいはず。それでも大谷の結婚が羽生の時に比べて取材攻勢に遭わないのはなぜなのだろうか。
一つには所属チームの問題がある。羽生は昨年9月末にANAとの契約が切れていたほか、そもそもフィギュアスケートは個人競技であり、彼を守るべき“チーム”が存在しないのが実情だ。
それに対して大谷はドジャースの一員であり、巨大スポーツリーグMLBの一員でもある。日々の取材に関してもドジャース側が仕切っており、メディアが勝手に張り付くことはできない状況だ。ましてや週刊誌などMLBの取材パスを持たないメディアでは大谷に近づくことすらできないのである。
「それに加えて野球とフィギュアスケートの違いも大きいでしょう。野球は主に男性ファンが多く、いくら人気選手とは言えども結婚などのプライベートについてはファン側が温かい目で見守りがち。一方でフィギュアスケートは熱狂的な女性ファンに支えられている面が大きく、いわゆる厄介ファンや、ガチ恋ファンが圧倒的に多いのです。そのため人気選手の結婚は熱烈なファンからの怨嗟を招きがち。メディア側もそんなファン心理を掻き立てるような報道をしがちで、選手はプライベートを暴かれる危険と隣り合わせになりがちです」(スポーツライター)
結婚発表後の囲み会見はニュース番組でその全容が報じられていたが、記者たちは総じて抑制的だった。記者のほうもドジャースから出禁にされるわけにはいかないうえ、下手な質問をしようものならその様子が日本中にさらされてしまうことになる。どうやら大谷のお相手がパパラッチ攻勢にさらされる恐れは少ないのかもしれない。