骨量が減ることで骨が弱くなり、骨折しやすくなる「骨粗しょう症」。でも、概要は知っていてもなぜそうなるのか知っている人は、意外と少ないのではないでしょうか。
「骨量低下の主な原因は加齢によるものです。骨量を維持する働きがある女性ホルモンのエストロゲンの減少も影響していると言われていますね」と語るのは医療ライター。
閉経後の女性にこの病気になる人が多いのは、そのためだと言われています。また、最近では若い人でも、ダイエットや運動不足が原因で骨粗しょう症になる人が増えているのだとか。
「最近の調査では、国内の40歳以上の骨粗しょう症患者数は1280万人。そのうち980万人が女性で、男性は300万人と推測されています。
少し前ですが、テレビ番組で『芸能人の骨年齢ランキング』が発表されました。そのなかで60代の女優である田島令子さんをおさえ、骨年齢が実年齢の“プラス25歳”と、一番弱っていると診断されたのがタレントの千秋さんでした。乳製品や魚などからカルシウムを摂っておらず、お菓子大好きと公言している通り、スナック菓子などの食べ過ぎも原因だと考えられます」(前出・医療ライター)
骨量の維持にはカルシウムが欠かせない栄養素。しかし日本人は慢性的なカルシウム不足だと言われています。こんな話を聞くと、せっせとカルシウム入りの食品を食べようとしますが「実は、それだけでは予防になりません」と医療ライター。どういうことでしょうか。
「厚生労働省が示す1日に最低摂取すべきカルシウム所要量は600mgですが、実際には達成できていません。また、骨粗しょう症のガイドラインでは、1日800mgの摂取を呼びかけています。でも、摂取した全てが吸収されるのではなく、一部は尿で排泄されます。だから、体内に残る量は少ないのです」(前出・医療ライター)
そのほかにも次のような理由もあるのだとか。
「骨はカルシウムだけでできていると思われがちですが、実はタンパク質の線維で形が作られ、そこにリン酸カルシウムが沈着することで構成されています。ですから、カルシウムだけを摂っても、土台になるタンパク質が不足していると、骨の代謝が悪くなって、どんどんもろくなっていくのです」(前出・医療ライター)
骨粗しょう症を防ぐには、カルシウムだけでなく骨組みとなるタンパク質や、代謝や骨の形成を助けるために働くビタミン、ミネラルの摂取も大切だそうです。これらをバランス良く食べて、骨がもろくなるのを防ぎたいですね。