今後のキャリアに大きな影を落とす発言になったかもしれない。レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英が日本時間4月27日に開催されたラ・リーガ第33節のレアル・マドリー戦後、主審の判定に怒りをブチまけ、現地で話題を集めているのだ。
自身の保有権を持つ古巣との一戦で先発出場を果たした久保は32分、相手ペナルティエリア内でマドリーDFミリトンを華麗なキックフェイントでいなし、右足でシュート。これがネットに突き刺さり、先制ゴールを奪ったかに思えたが、直前の場面で味方FWアンデル・バレネチェアに、レアルのMFオーレリアン・チュアメニからボールを奪う際、コンタクトのファウルがあったとして、久保のゴールが取り消しに。
結局、ソシエダはマドリーMFアルダ・ギュレルが決めた先制弾を守り抜かれ、ホームながら0-1で手痛い敗北。ところが試合後には久保の放ったレフェリーにまつわる言葉が大きな物議を醸すことに―。
「とても残念だよ。勝ちに値したはずだった」と切り出し、静かに感情を露わにする久保。「こんなに大雨の中、スケジュールの変更もあったし、ファンのことを考えれば、クソみたいことだらけ」と続けると、自身のゴールが取り消しとなった場面については「一つ言えるとすれば、ボールを失った選手(チュアメニ)が眠っていたってことだね。何が起きたのか、全てはわからないが、チャンピオンズリーグでは決して取られないファウルだよ」と古巣への皮肉を展開したのだ。
「久保は前回のマドリー戦でも決まったはずのゴールが取り消される憂き目に遭っており、ストレスが蓄積するのも理解できます。また、本来であれば休養となるはずの日にリーグ戦が組まれたのも、マドリーがチャンピオンズリーグベスト4進出を決めたことが要因で、ビッグクラブへの配慮を随所で痛感したのでしょう。いずれにせよ、マドリー寄りのメディアでは、今回の久保の“古巣批判”は波紋を呼び、将来的なレアル・マドリー復帰が消滅したと見る向きも優勢に。現地メディア『Planeta Realmadrid』はマドリーのフロレンティーノ・ペレス会長が久保に激怒していると伝えており、マドリーのお抱えメディアである『BERNABEU DIGITAL』も『日本人選手による試合後のコメントはとても残念なものだった』『レアル・マドリーのファンからは好かれない発言』などと報じています」(スポーツライター)
今季の活躍により、久保の下には主にプレミアリーグの名門リヴァプールやアーセナルからの関心が囁かれているが、スペイン最大のクラブであるレアル・マドリーへの復帰はかなり非現実的な選択肢になったといえそうだ。
(木村慎吾)