5月6日、東京ドームで開催されたWBO世界バンタム級タイトルマッチにおいて、王者のジェイソン・モロニー(オーストラリア)を相手に3‐0の判定勝利、新王者に輝いた武居由樹に熱視線を送る女性ファンが急増中のようだ。
武居は、キックボクサー出身。「Krush」「K-1」で王者に輝き、2021年からプロボクシングに転向。8戦全勝(8KO)の無類の強さを誇り、今回の世界タイトルマッチとなった。
K-1王者のプロボクシング世界王者は初。プロ9戦目での世界王座奪取は、具志堅用高氏、井岡弘樹氏といったレジェンドクラスの元世界チャンピオンに並ぶ史上6位の最速ペースだ。また、日本ジム所属の世界王者は100人目という節目もあって、注目度は高まった。
「懐かしのベビーフェイス」「K-1からの黒船」といった異名の通り、褐色に焼けた肌と整ったイケメンが特徴。「さらに素晴らしいのは…」と、格闘技好きのネットライターが口を開いた。続けてもらおう。
「対戦から一夜明けた7日、武居が報道陣の取材に応じ、判定勝ちについて記者から問われると武居は『判定で勝てるっていうのは、まったく想像してなくて、どこかで一発当てて倒して勝つっていうのをイメージしてたんですけど、自分の当てたいパンチをなかなか当てさせてもらえなかったマロニー選手が、テクニックがあって、スゴかったなって…』と相手を讃える殊勝なコメントをしているんです。格闘技といえば選手の乱暴な言葉が横行し、それが試合を盛り上げるパフォーマンスの一要素にもなっていますが、ネットでは『格闘技はこういう実力が合って謙虚なのが1番カッコいいわ』など、女性ファンからとものと思しき武居の人柄を賞するコメントが相次いでいます」
スポーツライターがあとを引き取って、こう語る。
「母子家庭で育った武居はいわば“手のつけられない悪ガキ”でした。見かねた母親が、キックボクシングジム『パワーオブドリーム』の古川誠一会長のもとに預けたことから人間的にも急成長。今回の王座獲得を一番喜んでいるのは、母親では…」
そんな女心をくすぐるストーリーも武居の魅力のようだ。取材の模様は、オリコンのYouTubeチャンネル「oricon」で一部が公開されている(5月7日付動画)。
(所ひで/YouTubeライター)