今季限りで現役引退を発表したサッカー元日本代表MF長谷部誠氏が、6月15日の「EURO 2024」開幕戦の解説を務め、ドイツ代表DFとの因縁について言及している。
Jリーグの浦和レッズでプロデビューした長谷部氏。2008年にドイツのヴォルフスブルクへ移籍すると、14年より加入したフランクフルトでは10年を過ごし、クラブのレジェンド的存在になった。また、16年間を戦い抜いたドイツのプロサッカーリーグ「ブンデスリーガ」では、通算384試合の出場に到達。同リーグにおける外国人選手として歴代2位タイ、アジア人選手としては歴代1位の新記録を打ち立てていた。
そんな経験豊富な現在40歳の長谷部氏が「EURO」開幕戦のグループA・第1節「ドイツvsスコットランド」(ABEMA)で解説を担当。途中、36歳でドイツ代表を指揮する年下のユリアン・ナーゲルスマン監督とかつて試合中に激しい舌戦を繰り広げたことがあると明かすと、同国の現役プレイヤーについても「さっきからケンカの話ばっかりになっちゃうんですけど、リュディガーともケンカしてるんですよ。試合中に」と、31歳のドイツ代表DFアントニオ・リュディガーとの思い出も振り返った。
同じく開幕戦の解説を務める元Jリーガー・林陵平氏から「そんなケンカするタイプでしたっけ?」と驚かれると、長谷部氏は「ピッチに立つと熱くなるタイプなんで」と語り、リュディガーについて「彼がシュツットガルトで、まだ相当若かったと思います。すごく挑発されたんで」とバトルに至った経緯を話している。
「リュディガーは陽気なキャラクターがファンから人気を集める一方、ピッチ上ではたびたび相手選手を挑発する傾向があり、22年のカタールW杯でも、日本代表FW浅野拓磨がその“被害”に遭っています。ハリファ国際競技場で行われたグループEの初戦、後半18分にスルーパスから抜け出した浅野を追う場面で、マークを担当していたリュディガーは、あからさまに両腿を高く上げながら、奇抜なランニングフォームで猛追し、チャンスを封じました。この走り方が浅野への挑発行為だとして、海外ファンから『無礼な振る舞い』『ピエロのように相手をバカにした』などとSNS上に声が上がった一方、ABEMAで解説を解説を務めた元日本代表の本田圭佑氏も『今のは性格悪い』『バカにした走り方をしてた』などと苦言。しかし、リュディガーの行為の約12分後にはMF堂安律が同点弾を決め、最後は浅野が決勝ゴールを挙げており、海外ファンからも『リュディガーはすぐさま報いを受けた』との声があがっていました」(スポーツライター)
浅野への“挑発走り”で本田を不快にさせたドイツ人DFに対し、負けじと熱戦を買って出たというエピソードを明かした長谷部には、ドイツvsスコットランド戦の視聴者からも、日本人サポーターから「舐められない態度をとることは大切」「そこでちゃんと喧嘩できるのがさすが長谷部」「長谷部さんも浦和の時はイケイケな感じでしたからね 笑」との反応がネット上にあがっていた。
長くドイツで活躍してきた長谷部だからこそ披露できる、貴重な経験値に基づく逸話だったと言えるだろう。