サッカー日本代表MF久保建英が所属するスペインのレアル・ソシエダが7月25日、Jリーグのガンバ大阪とパナソニックスタジアム吹田でプレシーズンマッチを実施することが決まった。ソシエダは5月29日にも来日し「JAPAN TOUR 2024」としてJ1・東京ヴェルディと親善試合を戦っており、異例となるシーズンオフ2度目の日本ツアーを行うこととなった。
「Real Sociedad Japan Tour 2024」と銘打たれ、J1で3位と好調を維持するガンバ大阪と、久保が牽引するソシエダの対戦が決定。5月のヴェルディ戦では国立競技場で2-0と勝利を収め、久保も随所で輝きを放つプレイを見せており、日本の地で再びその勇姿がお披露目されることになる。
ただ、ソシエダは8月16日に2024-25シーズンのラ・リーガ開幕戦を控えており、7月の最終週は新季に向けた最後の貴重な調整期間でもある。しかも、7月27日にはホームでフランス・トゥールーズとの強化試合を予定していたが、その2日前に2度目となる異例の再来日が決まり、同試合は中止することになったという。
これを不服としているのがソシエダのイマノル・アルグアシル監督だ。現地紙「MUNDO DEPORTIVO」は「円こそが優先事項 レアル・ソシエダは他の強化試合を中止してまで日本へ向かう」と題し、チームのコンディションを軽視した“外貨稼ぎ”を皮肉たっぷりに伝えている。
「開幕3週間前という時期に、1度ならず2度目のアジア行きが決まったことでまず懸念されるのは、2日間の長距離移動を強いられる選手のコンディションでしょう。イマノル監督は新シーズンに影響が残らない5月のJAPANツアーについては了承していたものの、オフで2回も日本行きを命じられるとは想像だにせず、クラブの決定に憤慨しているようです。監督は昨夏のツアーについても『不愉快であり、私の好むプレシーズンではない』と選手に疲労を強いることへの不満を吐露。今回の決定はソシエダのメインスポンサーである日本企業『YASUDAグループ』との“約束の一つ”とされていますが、同じ欧州の中堅クラブであるトゥールーズとの強化試合をキャンセルしてまで遠征を実施することには、日本のサポーターからも『指揮官としてはたまったもんじゃない』『選手を疲労困憊にさせてまでやることか』『5月に来日したチームに短期間で“また来い”は無いでしょ』『どうせ久保が移籍したらスポンサー降りるくせに』などと疑問視する声が上がっています」(スポーツライター)
とはいえ、スポンサーサイドも慈善事業ではなくビジネスを展開しているわけで、「スポンサーに資金援助はしてほしいが、その国でのフレンドリーマッチはやりたくないというのは都合が良すぎるでしょう…」と擁護する指摘もある。
いずれにせよ、遠征中の選手の体調やケガのリスクには万全の注意を向けてほしいところだ。
(木村慎吾)