先月放送された24時間テレビ(日テレ)で、タレントでミュージシャンのDAIGOが100kmマラソンを見事完走したのは記憶に新しいところ。その姿に多くの人が感動し「私もダイエットにジョギングでもはじめてみようかな」と思った人は多いのではないでしょうか。
健康維持や体重管理のために走ることはとても良いこと。でも、イザ走りはじめてみると「週に1回、2kmを走りはじめて1カ月。なのに体重が減らない!」と、それ以来走るのを止めてしまったという声をよく聞きます。運動でカロリーは消費しているはずなのに‥‥。一体、なぜなのでしょうか?
「それは体脂肪が運動のエネルギーとして使われるまでに時間がかかるからです」と言うのは、多くの有名トレーナーやランナーに取材をしているフィットネスライター。
例えば30分間ジョギングをして消費されるエネルギーは、体重が50kgであれば200kcal、60kgの人なら240kcalだと言われています。
でも、そのすべてが体脂肪で賄われているわけではないのだとか。さらに、言われている消費カロリーが、そのまま減るというわけでもないというのです。
「ジョギングのような運動をはじめたときに最初に使われるエネルギーは、筋肉などの中に蓄えられているブドウ糖です。それを使い切ってはじめて、脂肪が分解されます。これは遊離脂肪酸というもので、血液中に放出されてカラダのすみずみに運ばれていきます」(前出・フィットネスライター)
脂肪が遊離脂肪酸に分解される現象は、運動開始から徐々にはじまって、だんだんと高まっていくのだとか。だから脂肪燃焼には、ウォーキングやジョギングのような持続的な運動が良いといわれているのです。息が切れないくらいのスピードで、20分以上続く運動が効率的ともいわれています。
「遊離脂肪酸は必要な部位に到達すると、ブドウ糖に作り直されて利用されます。しかし、使い切らなかった分は、体内に取り込まれて、再び体脂肪として貯蔵されるのです。つまり、必要な分だけ使って、残りは戻すことを繰り返すので、一気に体重が落ちることがないんですね」(前出・フィットネスライター)
なるほど、時間をかけて貯めた脂肪を使い切るには、やっぱりそれなりの時間かかかるというわけです。
「それに運動の前後に体重を測って、走り終わった後に『1kg減ってる!』、次の日に体重計に乗ると、前と同じで『あっ、リバウンドだ!』と一喜一憂する人もいます。でも運動直後の体重減は、ほとんどが汗として失われた水分。脂肪が減っているわけではないのでご注意を‥‥」(前出・フィットネスライター)
とはいえ悲観的にならないで! 運動を継続していれば、代謝が良くなって脂肪を使う率も上がっていくのです。あせりは禁物、「キツイ!」と感じない、ゆるやかな運動をするのが続けられるコツ。そうすれば、太りにくいカラダにもなっていきます。
もうすぐ食べ物が美味しくなる季節。今からのんびり走り始めて、秋の味覚を安心して楽しめる、すっきりボディを目指してみませんか。