12月22日に始まるフィギュアスケート全日本選手権。男子シングルでは5連覇がかかっていた羽生結弦選手は欠場となったが、過去を紐解けば、5連覇どころではない快挙を達成している人物がいるという。
「実は10連覇という偉業を達成している選手がいたんです。その選手とは、現在浅田真央のコーチとして名高い名伯楽・佐藤信夫氏です。スケート選手の層の厚い日本では、いまや全日本選手権は国際大会より優勝するのが難しいという声もある大会になっていますが、当時は競技人口も少なく、強い選手が連覇するのが当たり前だったということでしょう」(女性誌記者)
佐藤氏の10連覇の偉業達成は、それだけが理由ではない。
「佐藤氏が偉大なスケーターであったことは、もっと語られていいと思いますよ。佐藤氏が活躍した当時は、海外との行き来も簡単ではない時代。しかも日本には先端のフィギュアスケートの技をコーチできる指導者もいなかったんです。当時の日本のレベルは勝つどころか、大会の標準にも達していないような弱小国。佐藤氏はそんななか、60年から国際試合に参加してレベルの違いを肌身で感じながらも、撮れるだけの8ミリ映像をたくさん撮って日本に持ち帰り、技を研究したんです。そうやって日本人初の3回転サルコウを跳び、さらにループもマスター。そんな苦労の数々で培ったスケート技術が、今のフィギュアスケートの礎となっているんです」(スポーツライター)
これからも、世界に羽ばたく名選手をたくさん育ててほしいものだ。
(芝公子)