週刊文春による性加害疑惑報道以降、SNSでの発信が減っていたダウンタウンの松本人志が、久々にみずからの言葉でXから「ポスト、リポスト普通にしようと思ってます。当たり前の権利やし」と発信の再開を宣言したのは、さる7月14日。後輩の今田耕司が現在の心境やその反響ぶりに言及しており、これがまた、考えさせられる内容を含んでいるようだ。
周知のように松本といえば、2015年に開催されたホテルでの飲み会で女性に性加害を加えた疑惑を報じられ、現在は文春を発行する文藝春秋を相手に裁判を戦っている真っただ中。芸能活動も休止し、Xでの発信も文春との争いにまつわる情報ばかりとなっていたが、14日の再開宣言を機に、プライベートで親交がある芸人仲間のさまぁ~ず・三村マサカズやくまだまさし、ピアニスト・清塚信也らがリプライで反応していた。
一部では、人脈が広い松本に対する芸能界の“リアクションの薄さ”を指摘する報道もあったが、さる7月20日に放送された「今田耕司のネタバレMTG」(読売テレビ)に出演した今田は「こんなもん、X、オレがやってたら『兄さ~ん!』って、めちゃくちゃつぶやいてるよ、そりゃ。でも、やってないから」と、Xをやっていれば必ずコメントを送っていたと語る。
これに落語家・月亭八光が「今から(Xを)始めたらいいんじゃないですか?」と尋ねるも、「いやいやいや」とあまり乗り気ではないようで、「ニュースを見た時は、家で『兄さ~ん!』って」と、親指を上げて喜びの反応を示していたという。
この今田の答えは、松本に対してリプライを送る芸人仲間があまり多くないとの見方があることとつながっていることを示唆しているようだ。すなわち実際にコメントを送った芸人に集まる批判の飛び火という問題がなかなかに深刻なのである。
現に松本のX再開ポストに反応した数少ないベテラン芸人の三村も、過去の女性タレントへの“お触り”シーンなどが画像付きで拡散され、ネット上には、「やっぱり同じ穴のムジナだもんね」「擁護するのは自分にも似たような過去があるから」などといったヤジが集まる現象が起きているのだ。
今田の場合も、松本の騒動が勃発した当初、過去の番組内での女性に対するハラスメントに該当し得る言動が拡散されているのも事実。そこから考えるとSNSを介さず、距離を置いて「兄さ~ん!」とエールを送る程度の距離感が無難かつ安全だと言えるように思われるのである。
ちなみに、松本がX再開を報告したポストは5800万回を超えるインプレッションを叩き出し、その後のポストも1000万~3000万を記録する驚異的な反響となってはいる。これに今田は「ボクら、近すぎてピンときていなかった部分もありますけど、ホンマにスゴい人やなって」と話し、約970万人を誇るフォロワー数も含めて、その存在感の大きさに驚いている。が、様々な意味で松本と“近すぎる”今田にとって、適度な距離感でのエールがよけいな巻き添え炎上を回避する上で非常に重要だと言えそうだ。
(木村慎吾)