放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」に追加キャストとして伊藤健太郎が出演することがわかり話題となっている。
伊藤が演じるのは歴史上の人物ではなく、オリジナルキャラクターの「双寿丸」。まひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)との間にできた娘だが、まひろと宣孝(佐々木蔵之介)の娘として生活している賢子(南沙良)を盗人から救ったことをきっかけに、まひろたちが暮らす屋敷に出入りするようになる。武者としての生き方に独自の考えを持っており、そこに興味を持った賢子は双寿丸に惹かれていくという。
オリジナルキャラクターと歴史上の人物との恋模様といえば、松下洸平が演じたオリジナルキャラクターの、日本人でありながら宗人の見習い医師として働く周明とまひろの、恋愛と呼ぶには淡すぎる関係が思い出される。「光る君へ」は、史実をドラマティックにアレンジしていることが、女性からの人気を獲得していると思われる。おそらく賢子は母・まひろと周明よりも濃い恋愛感情を双寿丸に抱きそうな予感がする。
伊藤は2020年10月に起こしたひき逃げ事件以降、今年4月期放送の森本慎太郎主演「街並み照らすヤツら」(日本テレビ系)で4年ぶりに地上波復帰を果たし、「光る君へ」は復帰後2作目となる。
「健太郎」の芸名で活動していた17年放送の黒島結菜主演ドラマ「アシガール」(NHK)で羽木九八郎忠清を好演して年上女性の目を引き、19年下半期放送のNHK朝ドラ「スカーレット」で戸田恵梨香演じるヒロインの息子・武志でその人気を確固たるものにした伊藤。この2作品と「光る君へ」のチーフプロデューサーが同一人物であることから、今回のキャスティングになったと、伊藤自身も番組公式ホームページに掲載されているコメントで触れている。
伊藤に貼りついている「ひき逃げ犯」のレッテルは「光る君へ」の出演で除去できるか。かなり難しいと思うが、行方を見守りたい。
(森山いま)