女性への不同意性交容疑で逮捕され、のちに不起訴になっていたマインツの日本代表MF佐野海舟が、日本時間8月25日開催のブンデスリーガ開幕戦、ウニオン・ベルリンとの試合に出場。同騒動ではキャリアを棒に振る可能性もあったが、無事にドイツでのデビューを飾り、本人も安堵のコメントを残している。
佐野は7月4日に移籍金4億円で鹿島アントラーズからマインツへの加入を発表していたが、7月17日に30代女性へ性的暴行をはたらいたとして、2人の知人男性とともに警視庁に逮捕されていた。
その後、8月8日になって東京地検は3人を不起訴処分としたことで、佐野はドイツへ渡り、チームに合流。一時は絶望視されたマインツでのプレーだったが、開幕戦で先発出場を果たし、後半41分までピッチに立つことを許された。
試合は後半8分にマインツが先制するも、その20分後にウニオン・ベルリンMFラースロー・ベーネスに決められ、惜しくもドローに。佐野のマークの甘さから失点を喫してしまい「あれは防がないといけないと思います」と反省したが、同時に「サッカーができていることに感謝して、1日1日を過ごしていくことが大事」と現状への前向きな思いも口にしている。
「不起訴にはなったものの、当初は佐野も女性への暴行を『間違いありません』と容疑を認めていると報じられたこともあり、開幕戦からの出場には違和感を覚えるサポーターもいるようです。4億円という移籍金を支払っての加入となったため、マインツとしてはたっぷりと稼働させたいんでしょう。ですが、ドイツメディア『1&1』によると、早くも現地の熱狂的なサポーター集団から『クラブは道義的にも社会的にも責任を果たす必要がある』として、佐野への逆風が吹いているといい、やはりピッチで黙々と結果を出してサポーターからの信用を積んでいくしか方法はなさそうです。また、不起訴とはいえ、結果的に開幕戦から起用されている現状には『日本のJリーグならあり得ない』『こんな早く出場できるとは』と驚く声もあり、『あのタイミングでドイツに移籍してむしろ救われたかもね』と指摘する人もいました」(スポーツライター)
今後、佐野の日本代表復帰が叶うかは微妙なところだが、ひとまずはサッカーを続けられることへの感謝を忘れずに結果で信頼を回復させていってほしいところである。
(木村慎吾)