9月11日、森保一監督率いるサッカー日本代表は敵地に乗り込み、2026年北中米W杯アジア最終予選・第2戦でバーレーンと対戦。FW上田綺世やMF守田英正の2ゴールに加え、途中出場のFW小川航基も追加点を奪い、5-0で圧勝した。
これにより最終予選では3大会ぶりとなる初戦からの2連勝を達成した森保ジャパンだったが、試合が行われたバーレーン・ナショナル・スタジアムの敵サポーターからはモラルを欠いた危険な妨害行為が目立った。
冒頭、日本が国歌斉唱で「君が代」を歌っている場面から、スタジアムには耳をつんざく大ブーイングがこだま。極め付きは、選手の視力に大きな支障をきたしかねないレーザーポインターでの照射も確認された。
ゲーム開始早々の3分、MF堂安律がフリーキックを蹴ろうとすると、その頭部にバーレーンサポーターからグリーンのレーザービームが当てられ、プレーの妨害行為がおこなわれた。さらに、37分に上田がPKを任された際にも、ボールをペナルティースポットに置いた瞬間、複数のアングルから照射されたレーザーが上田の顔に集中。強い光で照らされるシーンが映り、解説担当の西岡光彦氏は「嫌がらせをされています」と伝えていた。
なお、そうした妨害を受けながらも、上田は冷静にPKを決めて先制ゴールを奪っている。
「W杯のアジア最終予選ではアウェーの地で用意された練習場に鋭いクギがワザとバラ撒かれていたり、日本選手団が滞在するホテル周辺で夜通しで騒音を流し続けるといった“洗礼”があることはよく知られてきました。今回のレーザーポインターによる妨害もアジアでは初めてのことではありませんが、明らかに犯人がスタジアム内にいることが明白なうえ、失明や視力低下のリスクも叫ばれていることから、日本のサポーターからは『民度が低すぎる』『犯人は出禁にしろ』『AFCはいつまでこんな悪質な行為を野放しにするのか』など、アジアサッカー連盟に厳しい処分を求める声が殺到しています」(スポーツライター)
こうした事態を受け、森保一監督は試合後「まず、国によって文化や価値観が違うのは多様性として受け入れていきたい」としながら「試合中の選手のプレーを妨害するような、もしかしたら目に当たったりした時に、選手の彼らにも害があるようなことはできるならやめていただきたい。バーレーンチームが非常にフェアなチームでしたので、サポーターのみなさんもチームのようにいてくれることを願っています」と、一部のバーレーンサポーターに節度ある行動を求めた。
これには「よく言ってくれました!」と評価する反応から、「顔にレーザーを当てる行為に対して『多様性』とか『できればやめていただきたい』とか生ぬるいこと言ってる場合じゃない」「そんなお願いベースのクレームじゃいつまでもレーザー当てられるだろうな」として、“丁重すぎるお願い”に呆れているような声も見られた。
ピッチ上では、最低限のマナーを守りながら、選手たちの激闘を見守りたいところである。
(木村慎吾)