不適切投稿による炎上後、人気タレントだったフワちゃんを“跡形もなく”消し去る番組の対応や、即座に降板を決めたニッポン放送に対し、不満の声を上げたのはお笑いコンビ・爆笑問題の太田光だ。
フワちゃんは8月4日、芸人・やす子のX投稿を引用し、「死んでくださーい」などと誹謗中傷の書き込みを投稿したことから、大騒動に発展。すぐに謝罪するも、翌5日に放送予定だった「フワちゃんのオールナイトニッポン0」(ニッポン放送)は休止となり、同9日にはパーソナリティだったフワちゃんを降板とすることを発表した。
その際、ニッポン放送は、局のルールとして、他者を尊重しない誹謗中傷行為を認めないポリシーがあるとし、騒動から5日後の降板という迅速な対応に至った。
また、ラジオだけでなく、およそ4年にわたってレギュラー出演してきた「行列のできる相談所」(日本テレビ系)や、9月7日放送の特番「有吉の夏休み2024 ?密着77時間in Hawaii」(フジテレビ系)なども、フワちゃんが映る場面を全カットし、その存在を完全に“消し去った”として注目を集めている。
すると、一連の各局の対応について、9月11日放送のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)に出演した太田は「どういうルール?」「テレビ業界とか放送業界として、ああいうことが面白いってやらしてたんじゃねぇの?っていうのはちょっと思ってます」と疑問を口にした。
また、騒動直後にフワちゃんを降板させたニッポン放送には「お前ら散々、オレたちも含めてだよ、散々それ(他者を尊重しない誹謗中傷行為)を面白がってきたろ?」と言及し、ハシゴを外すような局の動きに不信感を抱いているようだ。
「フワちゃんをめぐっては、大御所タレントにも物怖じせずにタメ口で話しかけたり、やりたい放題に暴れ回る自由奔放なスタイルが一定の層に刺さっており、ニッポン放送を始め、様々な大人たちがそうした人気にあやかって彼女を起用してきました。太田自身も、ラジオではギリギリの毒舌を吐く芸風で攻めたトークを売りにしてきたことから、失言騒動が起きるや否や、一斉にフワちゃんから離れていく光景は、複雑な心境なのでしょう。ただ、いくら“自由なスタイル”が好評だったにせよ、SNSでの誹謗中傷が社会問題となる中、過去にイジメ被害を受けたこともあるやす子への『死んでください』投稿を看過するわけにもいかず、完全にフワちゃんの自業自得であることは言うまでもありません。ネットには、フワちゃんへの同情を寄せる太田に『優しい人』とする反応もありますが、一方で『問題を起こしたら切るのは雇い主の自由』『生き死にという超えちゃいけないラインを超えたのは大きい』とし、各局の対応を“まとも”だと考える人も多いです」(テレビ誌ライター)
“どこまでがOKで、どこからはアウト”という基準値は時代によっても移り変わるもの。芸能人にとって必要なのは、そのラインを嗅ぎ分けるバランス感覚なのかもしれない。
(木村慎吾)