各局の「クイズ番組」が相次いでレギュラー放送の幕を下ろしている。9月5日、TBSの改編説明会で打ち切りが発表されたのが「東大王」だ。
2017年にスタートした同番組は伊沢拓司や鈴木光ら人気クイズプレイヤーを輩出。「東大ブーム」の火付け役となったものの、7年で終了となった。
日本テレビでは同18日の会見で「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」の終了を発表。これで同局がレギュラーで放送するクイズ番組はゼロとなった。
なぜクイズ番組の終了が相次いでいるのか。テレビ関係者が解説する。
「『小5クイズ』の終了に際し、日本テレビの編成部長が『コア視聴率が上がりづらい』と語っていたように、クイズ番組がファミリー層に受けにくい時代になってしまった。さらに大きな課題となっているのが『マンネリ化』です。早押し形式のクイズ番組では、ロザンの宇治原史規やカズレーザー、やくみつるといった定番のメンバーばかり。これには難しいクイズの問題に対応できる芸能人の解答者が限られてしまうという事情があるのですが、『毎回同じような内容を放送している』と受け止める視聴者も少なくないでしょう」
ブームから一転、「冬の時代」を迎えつつあるクイズ番組。前出のテレビ関係者は「テレビ局が抱えるジレンマ」について、こう吐露する。
「改めて『タイムショック』や『アップダウンクイズ』のような一般人視聴者が競う『参加型クイズ番組』を作れば高視聴率が見込めるとの声も局内で出ているのですが、当時と比べて一般人を出演させることのリスクが極めて大きくなった。ある視聴者参加型クイズ番組では、出演時の不満をSNSでブチまけられて『八百長疑惑』が生じてしまいました。また、一般参加者の番組内での振る舞いによるネット炎上についても配慮しなければいけない。ネット時代ゆえに、視聴者参加型の番組を作りたくても作れない状況なんです」
再びクイズ番組に春はくるか。
(塚原真弓)