2021年よりイングランド1部アーセナルに所属しているサッカー日本代表DF冨安健洋に「別れの時」が近付いているという。欧州現地メディアが9月23日までに報じたところによれば、日本人センターバックは今冬にもアーセナルからの退団を決める可能性があるようだ。
冨安はプレミアリーグの名門アーセナルへの加入以降、最終ラインのあらゆるポジションをこなすユーティリティ性を高く評価され、すぐさまレギュラーに定着。スペイン人のミケル・アルテタ監督からの信頼も厚く、今年3月にはクラブとの契約を2026年まで延長するなど、その立場は安泰かと思われていた。
しかし、今季はプレシーズン中の膝の負傷により未だに出場はゼロで、昨季、昨々季に続いて大きなケガに悩まされている。
そうした中、冨安の前所属クラブ・ボローニャでの活躍を目の当たりにしていたイタリアのビッグクラブが、こぞって25歳の日本代表DFとのサインを目論んでいるという。英国紙「The Sun」を始め、伊メディア「CalcioMercato.com」は「ナポリ、ユベントス、インテル」の3クラブが冨安を獲得できる来年1月の移籍マーケット開幕を「心待ちにしている」と報じた。
気になるのは選手本人の意思だが、「CalcioMercato」は「冨安はアーセナルを退団する覚悟がある」と報道。その背景には、負傷による戦線離脱の多さに加え、アーセナルが今夏に獲得したイタリア代表DFリッカルド・カラフィオーニに出場機会とスペースを奪われてしまう可能性があることを挙げている。
「毎シーズンのように負傷を繰り返す冨安は、アーセナル加入初年度から現在までの3シーズンで、リーグ戦の出場は21試合、21試合、22試合と、毎年全38試合のうち、ほぼ半数を欠場しています。19年から2シーズン在籍したボローニャでは、29試合、31試合に出場できていたことを考えれば、負傷による離脱が増えてしまった印象は拭えません。ただ、それでもヨーロッパでの冨安に対する評価は依然として高く、その市場価値は2000万ユーロ(約34億円)とされ、獲得候補に上がっているクラブも、昨季のイタリア王者・インテル、世界的ビッグクラブ・ユベントス、そして、一昨年の王者・ナポリと豪華な面々ばかり。特に守備大国のイタリアでは188cmという冨安の日本人離れした体格は重宝され、空中戦の強さも高い評価を集める理由の一つです」(スポーツライター)
とはいえ、負傷の多い選手との高額な契約に二の足を踏むのは、イタリアの名門クラブも同じこと。まずはしっかりと現在の負傷を乗り越え、ピッチ上で万全のコンディションであることを強くアピールする必要もありそうだ。
(木村慎吾)