10月20日にスタートした神木隆之介主演ドラマ「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)が話題になっている。もっとも関心が集まっているのは、宮本信子が演じている謎多き女性・いづみの正体だ。
ネット上では、1955年に端島へと男性から逃げるようにやって来た福岡の進駐軍でジャズシンガーとして歌っていたリナ(池田エライザ)、同年に九州大学を卒業して端島に戻って来た22歳の百合子(土屋太鳳)、端島の「銀座食堂」の看板娘である朝子(杉咲花)のうちの誰かだろうと考察する声が飛び交っている。
しかし、考察するまでもなく、いづみ=リナだろうと思ってしまうのは早計だろうか。なぜそう思うのかというと、いづみを演じている宮本も、リナを演じている池田も、そろって「歌手」の顔を持っているから。すでに第1話でリナは「端島音頭」の歌唱シーンがあり、いづみも鼻歌で「端島音頭」を歌うシーンがあった。
また、百合子や朝子とリナは同年代と思われるが、百合子が1955年に22歳ということは1933年生まれということ。1930年代にリナという名前は一般的に名付けられていなかったと思うから、おそらく進駐軍のステージに立っていた頃の芸名のようなものが「草笛リナ」で、本名が「いづみ」なのではないだろうか。
このドラマは、1965年に端島から脱出するために、小さな手漕ぎ舟に乗った赤ん坊を抱えたリナのシーンから始まった。そこにいづみの声で「戻れないあの島、今はもういない人々。愛しい人の思い出はすべて、あの島へ置いてきた」とモノローグが流れるのだから、リナはいづみの若い頃だと素直に思ってはいけないだろうか。
また、リナが抱いていた赤ん坊は鉄平(神木隆之介)との子どもで、その子が玲央(神木/1人2役)の母親であると考察している。
このドラマはスタート前に「長崎県・端島と現代の東京を舞台にした、70年にわたる愛と友情、そして壮大な家族の物語」と銘打っていたから、神木が1人2役を演じていることもしっかりとした理由があるはずだ。今後の展開から目が離せない。
(津島修子)