NHKは11月20日、東京・渋谷にある同局にて定例会見を行い、活動再開が囁かれるダウンタウンの松本人志の起用の可能性について言及している。
松本は自身の性加害疑惑報道をめぐり文藝春秋社などを相手取った名誉毀損の民事訴訟を8日に取り下げたことを発表。それに伴い、自ら休止していた芸能活動の再開がどのタイミングになるのか、また、最初の復帰がどの番組になるのかについても注目が集まっている。
NHKの担当者は、松本の起用に関して「今、現時点では放送するような予定はありませんし、松本さんを含め、出演者の選定にあたっては番組の内容、演出に合わせて自主的な編集判断のもと、その都度判断していく」とし、「これまでもNHKとして具体的な方針を定めているわけではなく、ご本人が芸能活動を自粛するとおっしゃってますので、それに基づいて対応していく」と説明している。
同局では、性加害疑惑が出る前の昨年10月時点で、性教育特番「松本人志と世界LOVEジャーナル」を放送。松本を始め、ラッパー・呂布カルマらを起用したが、2人の過去の発言や騒動が掘り起こされ、「公共放送の性教育番組には絶対に相応しくない2人」などと問題視された過去がある。
「民間の放送局ではスポンサーのGOさえ出れば、どれだけ好感度の低いタレントでも出演が可能ですが、スポンサーを持たず、国民から受信料を得ているNHKの場合はやや事情が異なります。特に今回の事案では松本みずから『事実無根なので闘います』と訴訟を始めたにもかかわらず、最終的に“折れて”裁判を終わらせたとの見方も強く、性加害があったのかどうかの真相は今も不明なままの状況です。そうしたタレントの起用の可能性をNHKが『その都度判断していく』と否定しなかったことには、ネット上には、『ちょっと待って、NHKだよね?』『ジャニーズがダメなら松本もダメなんじゃないの』『自主的な判断ではなくコンプライアンスと社会的良識、そして、人権擁護の視点から判断しなさい』『他局が松本人志を番組に起用するのを横目で見て、もし世間がバッシングしないなら、それに乗っかろう!という、薄っぺらい判断』などの指摘が寄せられています」(テレビ誌ライター)
どの局も互いに様子見をしている段階なのだろうが、Xでは、“松本をテレビに復帰させるな”とする勢力と、“松本をテレビで見たい”として復帰を心待ちにしている層で、意見が対立している。したがって、松本を最初に復帰させた番組は、良くも悪くも、大きな反響を呼ぶことになるだろう。
(木村慎吾)