兵庫県知事選挙を出直しで再選した斎藤元彦知事が、SNSの広報全般をPR会社に有償で委託していた疑いが浮上。11月23日放送の「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(朝日放送)では、元衆院議員・宮崎謙介氏がこの疑惑について言及している。
疑いの発端は、斎藤氏がPRを任せた会社の経営者がメディアプラットフォーム「note」に投稿した内容だった。そこには同社が、再選を目指す斎藤氏の陣営で「広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います」と綴られており、斎藤氏のSNSアカウントの開設や運用、キャッチコピー、ハッシュタグの提案などを手掛け、かなり具体的な戦略も紹介されていた。
この「note」の投稿は、後に一部が削除・修正されているが、もしも同社に金銭が支払われていた場合には公職選挙法に抵触する可能性が高いという。
公選法では、選挙活動中に報酬を支払える対象は事務員や車上運動員、手話通訳者らに限られており、兵庫県の選挙管理委員会も「PR会社の記事は把握している。一般論として、報酬が支払われていれば、公選法違反に当たる場合がある」との認識を示している。
そんな斎藤氏をめぐっては、県議会から全会一致での不信任決議により失職した後、1人で駅前に立ち、通行人にひたすら頭を下げる様子が、一部の兵庫県民から「胸に響く光景」だとして注目を集めていた。
宮崎氏は、この“孤独に再選を目指す姿”が県民の同情をかき立てる上で大きな効果があったとし、「“可哀想な人”“いじめちゃいけない”と。そこから(斎藤氏を支持する声が)集まっていったわけじゃないですか」と、“斎藤フィーバー”が始まったキッカケになったと指摘。仮に、そうした姿もPR会社による演出のアシストが介入していた場合、同氏は「シラけません?」「だから、斎藤さんの意思ではないんじゃないかと信じたいですけど」と語っている。
「番組では、元日本テレビ記者で政治ジャーナリストの青山和弘氏も、ネット利用の選挙運動で金銭を払ってしまうと、公職選挙法上の買収に該当する可能性が高いと指摘しています。また、Xには、選挙カーで演説をしている斎藤氏を同じ選挙カーに乗りながら写真撮影をしている、今回のnote投稿者と思しき人物の画像も出回っており、彼の再選にかなり深く関わっていた疑いも持たれています。ネットでは『広報全般を無償で任せるなんてほぼあり得ないから、斎藤さんはやらかしてしまったね』といった声が見られたり、『せっかくの再選を台無しにする騒動』だと失望する人もいました」(テレビ誌ライター)
前代未聞の出直し再選を果たした斎藤氏だったが、選挙中のお金の動きにはよりシビアになる必要があったと言えるだろう。
(木村慎吾)