東洋水産の人気カップ麺「赤いきつね」のショートアニメCMが何かと話題になっている。2月6日に東洋水産が公式の「X」アカウントで公開した「ひとりのよると赤緑」おうちドラマ編は、ショートボブの女性主人公が、お腹のへそ辺りの肌がチラッと見える、青系スウェット上下を着用して自室と思われる薄暗い部屋でテレビドラマを見ながら落涙。テーブルの上にはメガネが置かれている。
女性はティッシュで軽く鼻をかんだ後に「赤いきつね」を実食。頬を赤らめながらおちょぼ口でまず汁を飲み、顔にかかる髪を耳にかけてうどんをすすり、マンガなら「ハムッ」と効果音を文字で書かれそうな感じで唇を三角にとがらせてきつね=あげを口にするという流れだ。
このアニメが「性的に見える」とする声があがり、「X」上で炎上騒ぎとなったことは記憶に新しいだろう。さらに同月21日には、このショートアニメを手がけた「株式会社チョコレイト」が「弊社企画の『赤いきつねうどん』ショートアニメ広告に関して」と題し、「このたび、弊社企画の『赤いきつねうどん』ショートアニメ広告に関し、一部SNS上において『生成AIを使用している』との憶測や、関係者個人に対する誹謗中傷が発生しております」と同社公式「X」アカウントに投稿。すべて「クリエイターによる手作業で制作されたもの」であるとし、「悪質な誹謗中傷や虚偽の情報拡散に関してはお控えいただき、クリエイティブに関するご意見がございましたら、以下メールアドレスまでお寄せいただけますと幸いです」と呼びかけた。
同商品が新発売された1978年から、テレビCMは武田鉄矢が出演。現在は富栄ドラムと共演している。ライバル商品である日清食品「どん兵衛」のCMが何かと話題になるから、アニメCMで対抗しようとしたのではないかと勝手に推測しているのだが、萌え系アニメに頼ったりせず、すべてのCMを鉄矢に任せておけばこんな事態は起きていなかっただろう。誰に何を言われようと「赤いきつね」と「緑のたぬき」の「CMは武田鉄矢」で貫いてくれていたら、その潔さはかっこいいとさえ思う。
問題になっている「赤いきつね」のアニメCMを見た時、自分も気持ち悪さを感じた。「このアニメは男性が作ってるんだろうな」と思ったのと同時に「このアニメを見てどれだけの人が“赤いきつね”を食べたくなるのかな?」と疑問を感じた。少なくともこのアニメを見て「赤いきつね」を食べたくなる女性はあまりいないように思う。
まだまだ日本は男社会なんだよなぁと感じつつ、仕事に取り組むヤル気スイッチを押すことにした。ポチッとな。
(森山いま)=写真はイメージ=