芸能界において、仕事が途切れずにある人は「売れている」と評価される。放送中の昼の帯番組「ぽかぽか」(フジテレビ系)でMCを務めるお笑いコンビ・ハライチの澤部佑と岩井勇気は、デビュー前から将来を嘱望されて「ワタナベコメディスクール」に学費免除で入学。特に澤部はデビュー後すぐにピンで仕事があり、その後もずっと「売れている」ことから「ワタナベエンターテインメント」では、「澤部のクローン」を作って世に出しているということをご存じだろうか。
この驚きの事実を教えてくれたのは、ハライチの2人が所属する芸能事務所の先輩である、お笑いコンビ・アンガールズの田中卓志だ。2月13日放送の「ぽかぽか」に生出演したアンガールズの2人は、後輩であるハライチを称賛。特に田中は2人が高校卒業直前のタイミングで「ワタナベコメディースクール」が主催する「お笑いメジャーリーグ」に出場し、高校生の部のグランプリを受賞したことに言及した。
田中は、この学校は「すごい実力ある人は学費免除。(だからハライチは)スーパースター」と評価。さらに「澤部は岩井より早く売れたでしょ。だから、ワタナベエンターテインメントっていう事務所は『澤部のクローン』を大量生産している。ハナコの岡部(大)とか。あばれる君とか」と話し始め、「岡部には澤部と同じように『なりゆき街道旅』(フジ系)を引き継がせて。(岡部は)バスケもやるでしょ。役者業もやる。完全にジェネリック澤部」ときっぱりと言い切った。しかし、あばれる君に対しては「ちょっと失敗して。丸刈りにはしたんだけど」と言い、スタジオ内の笑いを誘ったものだった。
澤部は明るく朗らかなキャラに見えるが、実は口数が少なく、相方の岩井に言わせると「澤部は無」。誰のことも信用しておらず、親にさえ“壁”がある男だと前出の岩井や澤部本人の口から明かされている。
ほかにも、番組の打ち上げにはほぼ出席せずにまっすぐ帰宅するのは、親にさえ壁があるのに妻だけは信用しているから。世の中で唯一、信用できる好きな人が待つ家に早く帰りたいと思う澤部の気持ちは、実に理解できる。自身の性格を「ネガティブ」とする俳優の岡田将生と仲がいいことも、澤部の意外な一面と言えるだろう。
私は澤部が「売れている」のは、仕事として陽気で気さくなキャラを演じられるからだと考えている。お笑いトリオ・ハナコの岡部もピン芸人のあばれる君も、見た目を澤部に似せることはできても、「妻以外の誰も信用していない」という「かたくなな心」をマネさせることは厳しいだろう。岡部もあばれる君も「いい人」がダダ漏れてくる。が、澤部は違う。澤部がたまに見せる「毒舌家」の一面や、笑っているようでまったく笑っていない目の奥に漂う「不穏」や「空虚」こそ、澤部が「売れている」原因であるように思えてならない。
澤部の仕事上での行動を誰かにマネさせることはできても、決して「澤部のクローン」を生み出すことはできないと思うのだが、違うだろうか。
(森山いま)