小池徹平が実年齢20歳の時に演じていた、坂口憲二主演ドラマ「医龍」(フジテレビ系)で「僕ちゃん」と呼ばれ、真摯な姿勢を崩さずスキルアップしていく伊集院登先生が大好きだった。2年後にドラマ「シバトラ」(フジ系)で「童顔」とイジられる警察官役で連ドラ初主演した時には、このまま主役街道をまい進し、大人になってもイケオジキャラで活躍するんだろうなと思っていたら、そうではなかった。
小池は39歳になったがイケ“オジ”には見えず、とんでもない裏の顔を持つトリッキーなキャラばかりを演じる、「トリッキー小池」へと進化した。放送中の小野花梨主演ドラマ「私の知らない私」(日本テレビ系)でも、主人公の芽衣(小野)を愛する優しい外科医の夫・西島奏多を演じているのだが、西島(小池)が微笑みを浮かべながら芽衣にかしずくたびに、ネット上には「小池徹平の微笑がいつか高笑いに変化しそうで怖い」「小池徹平が“ただのいい人”を演じるわけがない」「西島には絶対に裏の顔があるよね?だから小池徹平が演じてるんだよね?」といった“おびえる声”が相次いでいたのだが、それらの声は大当たりだった。
2月6日放送の第5話になって、「やっぱり西島は黒!」「トリッキー小池の本領発揮!」「悪人キャラが板についてきた小池徹平」といった声が続出することとなった。「善人に見えるが実は悪人」というトリッキーなキャラは、大前提として「善人」に見えなければいけないので誰もが演じられるキャラではない。小池だからこそ「さわやかな笑顔」から「顔を歪めた高笑い」のギャップが成立するのだ。
今や小池演じる西島がどこまで悪事に手を染めているのか、見届けずにはいられない。
(津島修子)