1980年代前半の漫才ブーム以来、お笑いコンビ「B&B」の島田洋七に第2のブレイクをもたらしたのが、佐賀県で祖母と少年時代を過ごしたときの思い出を記した自伝小説「佐賀のがばいばあちゃん」。
1987年「振り向けば哀しくもなく」というタイトルで太田出版から自費出版。2001年に「佐賀のがばいばあちゃん」と改題して2度目の自費出版。そして04年、徳間書店から再出版されると、コミカルながら感動できる佳作と一気に話題となり大ヒット。映画化、舞台化もされ、現在までに累計発行部数は800万部を超えている。
洋七は、野球解説者・高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル「よしひこチャンネル」に出演(3月10日)、当時を振り返った。
「『がばい』がヒットして講演が3000回近い。たぶん20年弱行ってると思う。最高で年間306カ所ちゅうのあるから、キツかった。移動、移動やん。ホテル、ホテルばっかりやから。最初は楽しかったよ、知らんところで飯食ったり飲んで。でももう行かんようになるもん、喉が続かん」
そうはいっても、
「『がばい』がヒットするまでは講演会(のギャラ)ってそんなに高くなかったんよ。40、50(万円)とか言うとったけど、3倍くらい跳ね上がるからね」
仮に講演料100万円としても、年間300回こなせば3億円を超える。多少キツかろうが我慢もできようというものだ。
「佐賀のがばいばあちゃん」の名言の1つにこんなものがある。
「今のうちに貧乏しておけ!金持ちになったら、旅行にいったり、寿司食ったり、着物を仕立てたり、忙しか」
まるで、洋七の未来を予言していたかのようだ。
(所ひで/YouTubeライター)