【あんぱん】妻夫木聡”八木信之介”のモデルはサンリオ創業者・辻信太郎氏と「ほぼ確定」させた博多大吉のひと言
放送中のNHK朝ドラ「あんぱん」は、誰もが知っている「アンパンマン」の生みの親であるやなせたかし氏とその妻・暢さんをモデルに描かれた作品であることは、周知の通り。このことは公式に公表されているが、妻夫木聡演じる八木上等兵こと八木信之介は誰をモデルにしているのか、これまで数人の名前が考察され、「サンリオの創業者である辻信太郎氏ではないか」と指摘されてきたが、7月29日放送の「あさイチ」(NHK)で「辻信太郎氏とほぼ確定」となった。
なぜなら番組の冒頭でドラマ受けをしたMCの博多大吉が、妻夫木演じる八木を話題に博多華丸と鈴木奈穂子アナと話していた際に「史実では…」「八木さんも後の…」などと漏らしたからだ。華丸は「史実って!」「ドラマで史実はやめましょう!」と目を丸くして大吉に抗議し、鈴木アナも笑顔ではいたものの両手で耳を覆うというリアクションをとり、大吉が「八木さんも後のサンリオ創業者がモデルでしょ?」と続けたと思われる言葉を聞かないようにしていたから、これはもう、妻夫木聡演じる八木信之介のモデルは辻信太郎氏だと明かしたのも同然ではないだろうか。
八木信之介のモデルとなったのではないかと考察されている人物は、あともう1人いる。それは、やなせ氏が実際に入隊した小倉の野戦重砲連隊で出会った、新屋敷上等兵だ。新屋敷上等兵はやなせ氏の著書「アンパンマンの遺書」に「三年兵で鬼屋敷と呼ばれて恐れられていた」「馬の扱いには優れていた」「上等兵が風よけになって、いくらかリンチの嵐は防げた」などと記されており、これらは「あんぱん」で描かれた八木上等兵のエピソードと非常によく似ている。脚本の中園ミホ氏は、この2人の人物の要素をミックスさせて八木信之介というキャラクターを作り上げた可能性は非常に高いと思う。
史実を調べず「あんぱん」に没入したい華丸派と、史実を知った上で「あんぱん」を楽しむ大吉派だと、世間にはどちらの「派」が多いのだろうか。
(津島修子)
