「あれがホンマのM-1のカタチ」元審査員のオール巨人が「絶対優勝やな」と確信した覇者コンビ
漫才日本一を決める「M-1グランプリ」で、2021年まで審査員を任されていたお笑い芸人・オール巨人(オール阪神・巨人)が、“最も印象に残っている”優勝コンビについて語っている。
漫才コンビ「オール阪神・巨人」としての長いキャリアを買われ、2007年から21年の間に計9回にわたって審査員を務め上げてきた巨人。漫才への情熱やこだわりの強さは誰もが知るところだが、そんな巨人に最も強烈なインパクトを与えたチャンピオンこそ、彼が初めて審査員を担当した2007年の覇者だという。
10月4日放送の「モモコのOH!ソレ!み〜よ!」(関西テレビ)で、レギュラーを務めるお笑い芸人の兵動大樹(矢野・兵動)から「師匠の中で思い出のジャッジはありますか?」と聞かれた巨人は、「ビックリしたのはやっぱりサンドウィッチマンでしょうね」「いったん落ちて、敗者復活から出てきて。『こんなにおもろい漫才師いてんのか…』って思って」と、サンドウィッチマン(伊達みきお、富澤たけし)の名を挙げた。
「あれはスゴいインパクトでした」と同調する兵動に対し、巨人は「“何でこれが準決勝で落ちたんや”と。それが不思議なぐらい。それも言うたと思うんですよ、(2007年度大会の)審査の中で。『何で君らが落ちたんよ。それが不思議でしゃあない。2本目、こんなネタあったら絶対優勝やな』って、僕、言うてしまって。まぁ優勝したけどね」「でも、あれがホンマのM-1のカタチやったと思うんですよ。埋もれたおもろい奴を探してくるとかがね」と、サンドウィッチマンの快挙を振り返っている。
「M-1グランプリは、吉本興業と朝日放送が主催するイベントで、審査員の大半も吉本の芸人が任されてきました。そのため、どうしても吉本所属の芸人が有利に働くのでは?と指摘されることも多いですが、そうした“逆風”を敗者復活という立場から覆したのがサンドウィッチマンの快進撃です。ただ、同時に巨人の目には彼らの準決勝落ちが違和感として残ったようで、この年以降、巨人は準決勝以下の予選にも顔を出して、事務所に関係なく“フェアな判定”が行われているのかをチェックするようになったといいます。ここにも巨人のお笑いへの律儀な姿勢が垣間見られ、M-1創設者で彼の同期でもある島田紳助さんが掲げた“埋もれたおもろいヤツを発掘する”という本来のコンセプトを守りたかったのでしょう」(テレビ誌ライター)
優勝当時のサンドウィッチマンは、東京のいわゆる大手ではない芸能事務所に所属。吉本や松竹芸能らの並み居る強敵を押し退けて大会を制覇したことも、M-1の歴史に残る“ジャイアントキリング”として多くの人の記憶に残り続けている所以だろう。
(木村慎吾)
