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ライフ
2025/11/17 07:15

元NHKアナ・中村克洋「人生を動かす“顔”パワー」講座/「“説得”コミュニケーション」における活用②“傾聴顔”でウンと言わせる!

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2025/11/17 07:15

 私は、アナウンサーには2つのタイプがあると考えています。ひとつはインタビュータイプ、もうひとつはリポートタイプです。つまり「聴くタイプ」か「話すタイプ」かのどちらかです。私は完全にリポートタイプです。人に伝える(話す)ことが大好きで、リポートが得意。大学の教壇に立っている時も、人に教えるという快感で、“先生”を楽しんでいました。

 この2つのタイプは相反する個性によるもので、両方のエキスパートであるということはなかなか難しい。でもアナウンサーは、どっちか片一方でいいというわけにはいかない。どうしたらいいのでしょうか?“その顔”、つまり“インタビュー顔”や“リポート顔”をすればいいのです。聞きたいという情熱のあふれたインタビュー顔は、優れたインタビューを生みだし、伝えたいという強い意志の表れたリポート顔は、名リポートを生みだすものです。

■“説得”ではどっちが得?

 インタビュータイプのほうがガゼン有利です。心理学や医学でよく「傾聴」という言葉が使われるのですが、コミュニケーションの場合は、「相手の言葉を共感しながら聞く」という意味合いで使われます。大きく間をとったり、じっくりとうなずいたりという“インタビュー顔”がより良いコミュニケーションを生むのです。説得の現場でも、「自分の意見を押しつけるリポート顔」ではなく、「あなたの意見をしっかりと受けとめていますよ」というインタビュー顔がとても大事、かつ有利なのです。

 なぜ「傾聴」が効くのか。それは、ふつう説得といえば、こちらから“売りの言葉”をペラペラと能弁にしゃべって、相手に納得してもらうことだと考えがちですが、さにあらず。「相手に、こちらが説得したいことを自分からしゃべってもらう」ことこそが、理想の説得なのです。その理由は、人には「他人の説得には反発するが、自分自身の言動には絶対に従う」という、心理学でいう“一貫性の原理”があるからです。

この心理は、さらにエスカレートして“他人の考え”には、絶対に従わない頑固な心理を呼び起してしまいがちです。実は私がそのいい例で、一生懸命説明している相手に対して、「お前、おしゃべりだなあ」「おれはダマされんぞ」などと、強烈に反発してしまうのです。これでは能弁な説得もかえって逆効果です。いったい、どうすればいいのでしょうか?真剣に聞いてあげる。「傾聴」すればいいのです。

■理想の説得 “セルフ・パシュエーション”

「自分の言ったことには絶対服従する」という頑固な心理を“逆利用”すれば、セルフ・パシュエーション(自己説得)というものができます。簡単に言えば「相手に言わせればいい」のです。相手に「こちらが説得したいことを自分からしゃべってもらうこと」こそが、理想の説得なのです。このセルフ・パシュエーションは今、最先端の説得テクニックとされています。

 その方法は難しいように思えるかもしれませんが、簡単です。インタビュー顔で「質問」して、インタビュー顔で「傾聴」するだけでいいのです。「傾聴」は、“説得”のみならず、生活の中でとても重要なコミュニケーションテクニックです。ガッチガチのリポートタイプの私も、たくさん質問して、できるだけ「傾聴」しようと頑張っています。そうすると、説得に限らず、人間関係までも、うまくいくのです。

 今回の結論は、説得は「“話す”ことではなく“傾聴”すること」でした。その方法は質問。でもこの質問、たった一つコツがあります。次回は、説得の最強アイテム、「“質問”はこれで完璧だ」というお話です。

●プロフィール
なかむら・かつひろ1951年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業後にNHK入局。「サンデースポーツ」「歴史誕生」「報道」「オリンピック」等のキャスターを務め、1996年から「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)ほか、テレビ東京などでワイドショーを担当。日本作家クラブ会員。著書に「生き方はスポーツマインド」(角川書店)、「山田久志 優しさの配球、強さの制球」(海拓舎)、「逆境をチャンスにする発想と技術」(プレジデント社)、「言葉力による逆発想のススメ」(大学研究双書)などがある。講演 「“顔”とアナウンサー」「アナウンサーのストップ・ウォッチ“歴史館”」「ウィンウィン“説得術”」

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