さらば青春の光 吉本興業「中国公演中止」発表の裏で日中友好に“滑り込み貢献”の意義!
高市早苗総理による台湾有事をめぐる発言で緊迫した日中関係を鑑みて、吉本興業は11月18日、上海での開催を予定していた公演を中止すると発表した。
中国側は高市総理の「存立危機事態になり得る」との発言に対して憤慨し、14日には日本への渡航を控えるように国民に注意喚起。その影響により、中国から日本への観光を予定していたおよそ50万人のフライトがキャンセルされたという報道も出ている。
こうした状況を受け、日本から中国への渡航についても自粛ムードが出始めており、吉本は11月20日から22日に上海で予定していた「よしもとコメディスペシャル」の全4公演を「やむを得ない事情により、開催を中止することに致しましたのでお知らせします」と発表した。同公演は、お笑いコンビ・テンダラーやアキナ、ライス、スーパーマラドーナ、しずる、マユリカ、そして、陣内智則ら人気芸人の登場が予定され、お笑いを通じて日本と中国の相互理解を深める場を提供する取り組みとして、現地で熱い支持を集めていた。
一方、日中関係がピリつく寸前に上海公演を終え、ギリギリのタイミングで現地での爆笑をかっさらって帰還したコンビがいた。個人事務所「ザ・森東」で活躍するさらば青春の光(森田哲矢、東ブクロ)だ。
11月16日に上海特別公演「一期一会」を開催して、17日に日本へ帰国。森田は15日更新のXで、マネージャーやスタッフら“さらばチーム”と空港で集合する写真をアップし、「今年の慰安旅行は上海!」と綴ると、16日には「上海でのライブ終了!来られた方々異様な盛り上がり本当にありがとうございました!ブクロが“ニャー”って言っただけで沸きに沸いてたのおもろ過ぎました!またいつか!」と、現地で爆笑を取ったことを報告しているのだ。テレビ誌ライターが言う。
「今回のような政治的な緊迫ムードによる民間人への影響は以前にも何度か起きており、2012年に日本が尖閣諸島を国有化した際には、中国の日本料理店や日本企業が襲撃される事件が発生。吉本が所属芸人の身に危険が迫るリスクを考慮して中止するのも無理はなく、さらばの2人もあと数日ズレていれば中止に追い込まれていたかもしれませんね。ただ、さらばの上海公演に日本から駆けつけたファンからは『さらばを面白いと思う仲間が中国にも大勢いると感激し、現地の方々に親切にしてもらい、とにかく良い旅でした』『中国にもさらばファンがたくさんいてくれて、私たちも誇りです』などとネット上に声が寄せられるなど、さらばの存在によって日中間の友情を肌で感じたと喜ぶ人もいたようです」(テレビ誌ライター)
日中のお笑い好きな一般人同士では、両国の貴重な架け橋的存在になってきたと言える、さらば青春の光。こうした日中間の民間交流の蓄積が、今回の緊迫事態の改善に少しでも良い作用をもたらすことを願うばかりだ。
(木村慎吾)
