「菅田将暉の主演作はおもしろい」という定説が崩れた「もし楽」「火星の女王」は“罪”となるか、“功”となるか
菅田将暉が主演する作品はおもしろい、という定説が崩れた感があった2025年。
菅田は2022年放送の「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)で主役のモジャモジャ頭の大学生・久能整を好演したのを最後に、その後は“異色の”と冠を付けたくなるドラマに少しだけ出演。久しぶりの主演ドラマとなったのが、前クール放送の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(フジテレビ系)だった。
通称「もし楽」は、菅田が3年ぶりの主演ドラマであることよりも、脚本家の三谷幸喜氏が民放ゴールデンプライム帯の連続ドラマの脚本を25年ぶりに務め、しかも自身が大学時代に渋谷の劇場でアルバイトをしていた時の実体験を元にしたストーリーであることが始まる前にアナウンスされたことから、非常に期待値の高い話題作として注目されていた。
ところがフタを開けてみると、あまりに登場人物が多いことでストーリーについて行きにくかったり、シェイクスピア作品を知らないと理解しにくかったりしたため、世間からのウケは芳しくなかった。
またNHKが昨年、放送100年を迎えたために実施した「放送100年 宇宙・未来プロジェクト」の一環として制作したSFドラマ「火星の女王」が12月に全3話、各話およそ1時間半ものボリューム感で放送され、今作で菅田は主人公の相手役という「二番手」と呼ばれるポジションの役柄を演じたのだが、こちらも世間からの評価は決して高くはなかった。
個人的には、どちらの作品でも菅田の演技はとても安定していたと思う。しかしそれは、「可もなく不可もなく」と言い換えられるかもしれない。
2024年には妻の小松菜奈との間に第1子が誕生し、現在は父親として充実した日々を過ごしていることだろう。「もし楽」「火星の女王」に菅田が出演したことの真価は、まだ定まったとは言えないが、しかしどうかまた、ヒリヒリするくらい衝撃的でおもしろい作品に参加して「やっぱ菅田が出るドラマっておもしろいわ」と言わせてほしい。
(森山いま)
