四大陸選手権で日本のエース、羽生結弦選手がまさかの銀メダルに終わり、オーサーコーチの手腕に不安の声があがっている。
「オーサーコーチが1月に出版した著書の中で、平昌五輪を目指す羽生選手とハビエル・フェルナンデス選手の練習や取り組み方、四回転新時代となるこれからのフィギュア界について語っています。オーサーは『四回転をたくさん跳んでも、ほかの(スケーティングなどの)技術や質が劣っていては勝負にならない』と指摘。暗にボーヤン・ジンやネイサン・チェンなどの4回転ジャンパーには、まだ羽生を倒せないと匂わせていました。その直後の四大陸選手権で羽生選手が2位に甘んじることになり、オーサーの読みが甘かったのではという声も出ているのです」(女性誌記者)
その一方で、羽生選手が抜きん出ていることには変わらないという意見も。
「ネイサン・チェン選手が300点超えを果たしましたが、ジャンプ以外の要素やスケーティング技術の進化が、オーサーの想定よりやや早かっただけです。同時に、今回の羽生選手の負けはSPでの失敗が響いたもの。FSでは、自身の失敗をこれまで試みたことのない4回転トゥループのコンビネーションをとっさに入れて挽回するなど、失敗をリカバーしての300点超え。逆に羽生選手の新たな可能性が見いだせた試合でもあります。オーサーは著書でも五輪は特別で、そのためのメンタルの維持やトレーニングこそが勝敗を決すると語っています。外に敵がいるとは思っていないと思いますよ」(スポーツライター)
負けん気の強い羽生選手。試合後も「ネイサンの怖さを感じたが、それが自分の限界を引き上げてくれることは間違いない」とコメントしている。ライバルの誕生で、さらなる高みへの階段を見つけたようだ。
(芝公子)