フィギュアスケートの四大陸選手権で、羽生結弦が2位に終わるという番狂わせが起きた。
羽生選手はSPで、4回転サルコーからの3回転トウループで最初の4回転が2回転になる失敗。FSでは、とっさの機転で演技内容を変え、4本の4回転に成功し、300点超えの今期自己ベストとなったが、ネイサン・チェンには及ばなかった。
「SPでの失敗がなければ、優勝したチェンの記録を上回っていました。また、FSでも4回転サルコーが回転不足を取られてしまいましたからね。十分に優勝を狙える位置にいたんです」(女性誌記者)
しかし、原因は羽生の失敗だけではない。
「羽生自身、インタビューで悔しい思いとともに、チェンの怖さを感じたと語っていました。4回転を5本跳ぶだけでなく、スケーティング技術が格段にアップしているのも優勝できた理由でしょう。チェンは、ジャンプはこれまで通りアルトゥニアンコーチに見てもらっていますが、昨年の夏からはアイスダンスのコーチであるマリナ・ズエワの元で練習をしているんです。その目的は、基礎のスケーティングや表現を強化するためです。男子フィギュアは華やかな4回転に目を奪われてしまいがちですが、ジャンプだけでは勝てないんです。スケーティング技術を磨き、ジャンプ以外のレベルをいかに上げ“トータルパッケージ”を仕上げるかが勝負なのです。その対策をきちんと取ってきたから、チェンが不調の羽生選手のスキを突いて勝利できたのです」(スポーツライター)
世界選手権では、最高の演技を披露する羽生選手と、成長を続けるチェン選手の好勝負に期待したい。
(芝公子)