沢井 Wキャストのお相手はどんな方でしたか?
竹中 彼女はプロ意識が強い子で、初めてのお仕事でヘラヘラしている私のことをライバル視していたかどうかもわからかったですね。ハーフだったから見栄えも華やかで、主演のアンザさんもハーフだったので親子感が強かったです。
沢井 竹中さんってハーフとかじゃないんですか?
竹中 よく言われるけど違うんです。ただ、顔の濃さが合格の理由だったかも。
沢井 ミュージカルは13年に復活したネルケ版がすごく良くて、自分たちの思い出とも重なって号泣しました。代表曲の「ラ・ソウルジャー」が感動的!
竹中 私も14年の舞台では「愛のスターシャイン」という曲の振り付けをやらせていただき、「ラ・ソウルジャー」に負けないように気合いを入れてましたね。
沢井 今でも機会があると舞台を観に行ってるんです。
竹中 でも実写も本当に良かったです! 大学のクラスメート2人が実写版のスタントをやっていて、それがきっかけで観るようになったらズブズブにハマっちゃった(笑)。個人的に気に入っているのは、変身前の学生の時は黒髪なこと。
沢井 人間が演じるからには、髪色も含めてメイクアップで変身するほうが自然。当時の私はほぼスッピンで、うさぎ役の時はカツラではなく地毛だったんです。
竹中 セーラームーンに変身した時のカツラが、繊細な色合いで大好きでした。
沢井 私たちの肌の色や衣装の色に合わせて、微妙な色を調合していたんですよ。
竹中 すごい! 細かく作り込まれていて夢を見せてくれたと思います。
沢井 私たち自身、女の子がどんどん変化していく年代だったので、初回と最終回では顔つきや体つき、雰囲気まで違っているんです。ストーリーも1人の脚本家さんが、1年を通して私たちの成長に合わせて書いてくださっていました。
竹中 ダークな部分も描いていたのが実写版の魅力。ドロドロの恋愛や死を描いていたり、悪が勝つという矛盾も衝撃でした。百合っぽさやジェンダーレスなキャラとか、いま思えばボーダーレスな時代を先取り。ショートヘアなのに元気キャラじゃなくてアンニュイだっていうのは、エヴァの綾波レイより先ですし。
沢井 鋭い分析! うさぎの嫉妬心が地球を滅ぼすエピソードまでありましたからね。だからファンのみなさんは、登場人物の誰かに共感できるのかな。
竹中 マンガからアニメやミュージカル、実写版まであって、それぞれ解釈が違っていても、自然に受け入れられると思うんです。
沢井 本当にそう思います。私たちのセーラームーン愛、これからも止まりそうにないですね!
沢井美優:1987年10月23日生まれ 神奈川県出身。13歳で「ラブベリー」(徳間書店)の専属モデルとして芸能界デビュー。03~04年放送の実写版「美少女戦士セーラームーン」で主役を務め、泉里香、北川景子、安座間美優、小松彩夏らと共演。その後、昼ドラのレギュラーなど女優として活躍するほか、「テレビでフランス語」(Eテレ)で生徒役を務めるなど幅広く活動している。(公式ツイッター @sawai_miyuu1023)
竹中夏海:1984年6月10日生まれ。埼玉県出身。小5でミュージカル「美少女戦士セーラームーンスーパーズ 夢戦士・愛・永遠に」に出演。日本女子体育大学・舞踊学専攻を卒業し、09年から担当しているPASSPO☆を皮切りにアイドルの振付師として活躍。アイドルダンスに関する著書も発表している。15年にはセーラームーンミュージカルで主題歌の振り付けを担当した。(公式ツイッター @723takenaka)