ここからは老化を防ぐ食材や、調理法を見ていこう。
白澤氏によれば、老化のもとである糖質を抑えた食事こそ、元気な歳のとり方の基本であるという。
「糖質とタンパク質が結びついて生成される『AGE』という悪玉物質こそが、老化の原因です。糖質を制限した食習慣により、この老化物質の生成を抑え、結果として老化を防ぐ体に変えられます」
無理のない範囲で、主食である米や麺を控え、野菜やお肉、お魚を腹7分目まで食べるようにすれば良い。
また、副菜やメインも調理の過程を変えるだけで老化物質AGEの生成を抑えることができる。
「卵の調理法は、焼きではなく“茹で”にすべきです。フライパンで焼くと老化物質が増加します。加熱調理するにしても、焦げ目をつけないことが大事です」
同様にじゃがいもの調理法も、フライドポテトのような「揚げ」よりも生に近い「蒸し」「茹で」のほうが、老化物質の生成が抑えられる。油で高温調理することで発がん性物質が発生することもあるため、ふかし芋などの食べ方が良い。
乳製品を摂ることも老化を防ぐ一助となるが、マーガリンには注意が必要だ。
「トランス脂肪酸が多く含まれているからです。摂取しすぎると動脈硬化が促進され、狭心症などの冠動脈疾患のリスクが高まります」
他にもトランス脂肪酸が多く含まれる食品として、パンやドーナツなどが挙げられる。健康長寿の大敵だ。
食品添加物を多く含む加工肉も、体の老化を促す。
「ハムやベーコンに使われている亜硝酸塩は、胃の中で発がん性物質のニトロソアミンに変化することがある。老化どころか、命の危機にもなりかねません」
白澤氏によれば、米を食べるときは炊きたての状態よりも、冷ごはんにして食べたほうが健康面に多大なメリットがあるという。
「ごはんに含まれるでんぷんは、冷やすと『レジスタントスターチ』という、消化されにくいでんぷんに変わります。これがカロリーをカットし、血糖値の上昇を抑え、脂質代謝を促すなど、非常に優秀なんです。先に挙げた玄米や雑穀米も冷えた状態で食べたほうが良いですね」
食べ物だけでなく、飲み物にも老化を防ぐカギが。
「コーヒーやお茶には抗酸化作用があり、老化防止や健康を維持する作用があります。コーヒーには不飽和脂肪酸を多く含むココナッツオイルを少量加えて飲むと、さらに効果的です」
お酒も適量なら飲んでOK。ただし、ビールや焼酎よりも抗酸化作用があり、動脈硬化予防が期待できる赤ワインがオススメだ。
さらに野菜を丸ごとミキサーにかけた、スムージーも飲んでいきたい。これは葉の部分や皮に含まれる食物繊維を効果的に摂取でき、お通じが良くなるため。
意外に簡単なものばかりなので、実際の献立作りに活用していきたいものだ。