3月29日から4月1日にフィンランドのヘルシンキで開催された「世界フィギュアスケート選手権2017」は、羽生結弦選手がショートプログラム(SP)5位から大逆転し、3年ぶりの優勝を果たした。
羽生選手は、SPで滑走開始までの30秒ルールをオーバーし1点減点。4回転サルコウ-3回転トーループでは、サルコウを降りた時に左足をついてしまい、トーループが2回転となった。これで、コンビネーションジャンプとはならず、2回転になったトーループは加点されなかった。
結果、SP1位109.05点のハビエル・フェルナンデスに10.66ポイントも引き離された5位スタートとなった。しかし、フリーではほぼノーミスの演技をした羽生選手は、自己ベストの219.48を更新し223.20と世界最高を記録した。
スポーツジャーナリストは「ミスをしてさえも、すごい運動能力をみせた」と言う。
「コンビネーションのサルコウで転倒することなく足をついて支え、すぐに2回転のトーループを跳びました。あんなことができるのは、羽生ぐらいのスゴい技です。評価したいのは、彼はミスをしても演技全体にはあまり影響しない点です。終了した時に“なんかミスがありました?”と思うほどうまくリカバーして、彼の醸し出す世界観はキープされたままなんです。SPでは滑走前にミスしてすでに減点ですから、それに引きずられる選手もいる。羽生のメンタルの強さは、相当なものだと思います」
フリーでは、最終滑走グループのトップで滑り出し、驚異的な得点をマークして他の選手を圧倒した羽生選手。平昌五輪での“金”の期待は、ますます膨らんだ。