御年85歳のジャニーズ事務所・ジャニー喜多川社長は、今でこそ柔和なおじいちゃん。ジャニーズJr.の少年たちにとっては、“おごってくれる、怒らないジャニーさん”であるようだ。ところが、80年代に入所した少年たちは、怖いイメージしかない。怒りの鉄拳をもっとも食らわされたのは誰か。スポーツ新聞の芸能記者に聞いた。
「それは間違いなく、SMAP時代の中居正広でしょうね。もともと芸能界には興味がなく、大好きな野球を続けられなくなって、ジャニーズJr.になった中居くん。入所間もないころは、『YOU、姿勢が悪いね』と指摘されて、猫背にハンガーを入れられて、矯正させられたと聞きます。そのままダンスレッスンしたとか」
小さい顔に丸い目をした中居は、典型的なジャニーズ顔。ジャニーさんは、中居を一流にしようと躍起になった。
「『YOUはホントに歌がヘタだね』とけなされたこともあったそうです。カスタネットを持ったジャニーさんにマンツーマンで指導されています。1度叩いて『YOU』、1度叩いて『YOU』を繰り返し『“YOU”のタイミングで歌うんだよ』と付き合ってくれたとか。またSMAPが光GENJIのバックダンサーを務めていたころのこと、中居は歌と自己紹介で6分の時間を与えられました。しかし、何もできないまま終わってしまった。終わってからジャニーさんに、『YOU DIE(死ね)』と言われています」(前出・芸能記者)
SMAPは全員が劣等生だった。大きな黒電話の受話器を投げつけられ、「ふざけんじゃねぇぞ、てめぇ!」「出てけ」「帰れ」「やめちまえ」といった罵詈雑言を浴びせられた。ジャニーさんが本気で向きあったSMAP。だからこそ解散に最後まで反対した。アイドルの最高峰に上りつめた彼らは、ジャニーさんが手塩にかけて育てた「宝」だったのだ。
(北村ともこ)