音楽配信サービスなどの普及により、CDの売り上げ減が叫ばれている昨今。それでも、モノとしての存在感やコレクションとしての価値、そして何よりも配信サービスに比べてアーティストに入る実入りが多いことから、好きな歌手やアーティストの音楽活動を応援する意味を込めて、CDを購入するファンはいまだ多い。
そんなファン心理に寄りかかるように、みずからファンにCDの大量購入を勧めているのが、演歌歌手の山内惠介だという。山内といえば、昨年大みそかの「NHK紅白歌合戦」にも出場するなど若手実力派として活躍中。
5月29日、山内は都内で34歳の誕生日を記念したバースデーイベントを開催したが、当日イベントに出席した参加者は明かす。
「惠介クンはもともと、イベントや即売会などではあからさまにファンにCDの大量購入をおねだりしていたんですけど、今回のイベントでは“CDを10枚買ってくれたらサインをする”といった購入特典を設けていて。地下アイドルならいざ知らず、紅白にも出場している歌手にしては、ずいぶん商売っけが強いなと思いましたね」
音楽誌の編集者は眉をひそめてこう語る。
「歌手にとって音楽チャートの順位は意識せざるを得ないもの。とくにオリコンチャートは大きな影響力があります。そうした中、一部のファンによるCDの大量購入などが問題視されるようになり、昨秋からオリコンチャートの集計ルールが厳格化され、イベントや即売会、握手会などでのCDの売り上げ枚数に関しては、イベント参加者の2倍を上限とするという規定が設けられました」
つまり、1人のファンが3枚以上CDを買っても2枚としかカウントされず、それ以上の売り上げ枚数の申告は無効になる。にもかかわらず、山内はなぜ“10枚購入特典”をやっていたのか。
「5月30日付けのチャートでは山内の曲が総合3位になっています。バースデーイベントの枚数が寄与していますが、実際の参加者が500~600名だという話。規定オーバーの申告をしている可能性がありますね。昨年のバースデーイベント週のオリコンチャートでも同様の数字が確認されているので、来年がどうなるか要チェックです」(前出・音楽誌編集者)
同世代の福田こうへい、三山ひろしらとともに「演歌男子」と呼ばれる山内だが、その人気が“水増し”によって支えられているとすれば残念と言うしかない。
(ひらたさとし)