ダイエットをはじめるなら、まずは食事の量を減らしたり、甘いものを控えたり、そして食事自体に使われている油脂を気にしますよね。ただ、「油脂=体脂肪」と単純に考えてしまうのは、どうやら間違っているようです。
自らも20代の時に1年半で25kgの減量をした経験を持つ、「これが本当のラストダイエット」の著書であるトレーナー・大西ひとみさんはこう話します。
「油脂類は“量”ではなく“質”を意識することが重要です。脂質を摂取すると、体脂肪の燃焼速度上げ、食欲抑制に働いてくれるレプチンというホルモンが出ます。つまり脂質はダイエットに必要な栄養素なのです」
とは言え摂りすぎは禁物。特に炭水化物と一緒に摂ると太りやすくなるんです。では、大西さんの言う「質」とはどんなことをいうのでしょうか?
「同じ脂質と言っても、脂肪を燃やす能力を上げるものと下げるものがあります。その最たる例が穀物から作られたサラダ油です。一般的に体に良いと思われがちですが、実は脂肪燃焼能力を下げると言われています。特に揚げ物などに使うと、酸化によってそれが顕著になります。植物性油で良いのは、エクストラバージン・オリーブオイルやゴマ油ですね」
また、マーガリンなどの油と水素を添加して作り出した「トランス脂肪酸」という物質が含まれる食品もNG。トランス脂肪酸は体内で細胞の老化を促進させ、動脈硬化など心疾患にかかるリスクを高めるという報告があるくらい。ファストフードの揚げ物やポテトチップスに、カラッとした食感を出すために使われているショートニングにも、同様のものが含まれているので注意したいですね。
「逆に以前は体によくないと言われていた動物性の脂肪は、最近では健康被害や肥満には直接結びつかないとも言われるようになりました。むしろ、ある程度は摂取したほうがいいという説を唱える人も出てきています。ただ、これも摂り過ぎは禁物。お肉を食べるのであれば、できるだけ赤身を選ぶようにすれば、程よい脂質が摂れますよ」(前出・大西さん)
つまり、お肉や魚など、タンパク質を取るときに一緒に入ってくる適量の脂質は大丈夫。気をつけるべきは揚げ物などに使われる“酸化した油”なのです。
植物油は「できるだけ新しい酸化していないものを使うようにしましょう」、大西さんの著書には、そんな食べ方のコツも記されているので、ダイエットをはじめる前に、一読してみるのもいいかもしれませんね。