「ミッション・インポッシブル」「キングスマン」、さらに年末には「007」と今年はスパイ映画が大盛況だが、「シャーロック・ホームズ」シリーズでおなじみのガイ・リッチー監督がメガホンを取った14日公開の映画「コードネームU.N.C.L.E」(ワーナー・ブラザース配給)は、他のスパイ映画に比べてもイケメン度もオシャレ度は10倍増しと評判のようだ。
しかし、世にいるスパイってそんなにお洒落でイケメンだらけなのか、常に我々凡人には気になるところ。「CIA失敗の研究」の著者で、東京工科大学教養学環 准教授である、落合浩太郎氏が教えてくれた。
「映画の世界と違い、男性スパイなら“カッコよすぎる”、女性スパイなら“美しすぎる”、そういった形容にピッタリくるような人はほとんどいないと思います。スパイは目立ちすぎたら困りますからね。それでも性的魅力を兼ね備えている人はいるようで、敵国の要人をたぶらかしたという例はいくつもあります。今回の『コードネーム~』は冷戦時代のKGBとCIAが手を組んで悪と戦うという魅力的なフィクションで非常に面白かったのですが、とくにロシア人役のイケメン俳優アーミー・ハーマーさんの表情はKGBそのものでしたよ。無表情で目が笑ってない、まるでプーチン大統領そのものでした(笑)」
教授によれば、日本にも各国のスパイは潜んでいるとのこと。
「アメリカ大使館にも当然CIAの人間がいます。もちろん名刺は○等書記官としか書いてありませんが、本物の外交官とスパイを見分ける方法として、ランチの値段がひとつの目安になります。ふつうの外交官はやはりそんなにお金を持っていなくて、ランチは1000~1500円のチキンステーキ程度。ところがCIA職員は、給料は同じぐらいでも交際費は多く使えるというのが特徴。ですから、ランチに3000~5000円のステーキも平気で食べます(笑)。私もスパイと思しき人に接触されたことがありますが、もしも外交官とランチする機会があったら注意してみてください」(落合氏)
私たちにそんな機会はないよ! というツッコミが出そうだが、じつはスパイというのは人づてに徐々に目的の人物に近づいていくのが鉄則だとか。自分は情報を持っていなくても、その“情報を持っている”知人を紹介してもらうために一般人に近づくこともあるという。スパイの世界は恐ろしいというべきか、奥が深いというべきか。
それほどスパイの世界に精通している落合先生が映画「コードネームU.N.C.L.E」にハマった理由は、「難しすぎず、それでいてハチャメチャ過ぎない、純粋にスパイ映画として楽しめたこと。それにサントラをおもわず購入したほど音楽がすばらしい。さすがガイ・リッチー監督ですね」とのこと。
わかっていても3000円ランチについて行ってしまいそうな女性が続出! そんな“イケメンすぎる”スパイ映画だが、一見の価値は十分にありそうだ。
(山村たける)