今期“NO1ホラードラマ”と話題になっている井上真央主演の「明日の約束」(フジテレビ系)だが、10月31日放送の第3話平均視聴率は5.4%。11月7日に放送された第4話は5.8%と低迷している。
このドラマは、自死した男子高校生の死の真相をめぐり、親子や友人、先生と生徒が抱える現代の問題を鋭くあぶり出している。特に、初回からテーマになっているのは、母親によるヒステリックなまでの過干渉。いわゆる“毒母”問題だ。
自死した吉岡圭吾(遠藤健慎)の母・真紀子(仲間由紀恵)は、息子の言動すべてを監視し支配しようとする。また、スクールカウンセラーの主人公・藍沢日向(井上)の母・尚子(手塚理美)も、娘を自分の思い通りにコントロールしようとし、少しでも反発するとエキセントリックなまでに激高する。
これまで視聴者は「怖すぎて観たくない」という意見や「怖いけど、どうしても観たくなる」と二分されていた。ところが、話が進むにつれ、これまでとは違った見方をしている視聴者が増えているという。
それは「言うこときかない子供にイラッとしてしまう自分を重ねて、心から反省の4歳児と1歳児の母です…最近沸点が低すぎる自分が嫌すぎる」「やばい! 手塚理美のヒステリックさ。自分を見てるみたいで胸痛かった」など、自身の子育てを反省するモデルケースになっているようだ。
家族問題に詳しいジャーナリストは「ドラマの中の“毒母”に自身を投影し、客観視できるのはいいこと」という。
「ドラマでは、“毒母”に対峙する子供の心理状態も丁寧に描かれています。子育てに悩む人たちにとって“良き気づき”になっている」
子育てに悩んでいる親にこそ、観てほしいドラマだ。