9日に発売された「週刊新潮」で、将棋棋士の藤井聡太四段が高校進学を決意したことを取り上げた。現在、藤井は名古屋大学教育学部付属中学(名古屋市)の3年生。中高一貫校のため、同付属高校に内部進学することになる。
以前は、将棋に専念するため、高校には進学しないとの報道も流れたが、土壇場での逆転劇となった。記事によると、藤井の母親は「(高校への内部進学は)本人と話し合って決めたことです。本人も納得していることですから……」と、かねてから藤井の高校進学を望んでいた母親の希望が叶った形となった。
「高校に進学すれば、通学や授業など学校に拘束されるぶん、将棋の勉強時間は少なくなります。順調に勝ち進めば、東京や大阪で行われる対局数も増え、出席日数も危うくなる。藤井四段本人は『全てのことをプラスにする気持ちで、これからも進んでいきたいです』とコメントしていますが、羽生善治棋聖の場合も通信過程のある高校に転校して卒業していますからね」(週刊誌記者)
という状況もあり、藤井四段には通信制の高校から“支度金”付きのオファーがあったことを同誌は伝えている。それが驚きの金額で、通信制の第一学院高校を展開するウィザスが、数百万円。同じくネットの高校・N高等学校を開校した角川ドワンゴ学園は、なんと数千万円ものオファーを出したというから驚きだ。しかし、藤井家は両校とも断ったという。
「藤井四段には高い商品価値があり、高校の宣伝効果も抜群。特に角川ドワンゴ学園は、ニコニコ動画で知られるドワンゴを傘下に持つカドカワ株式会社が設立していますから、藤井四段の対局をニコニコ動画で中継するという戦略もあったのかもしれません」(前出・週刊誌記者)
将来、どれほど強くなるのか、どれほど稼ぐのかはわからないが、将棋の「歩」のように、一歩一歩着実に成長してほしいものだ。
(石田英明)