女優の吉岡里帆が初の連続ドラマ主演に挑む来年1月期のドラマ「きみが心に棲みついた」(TBS系)にて、新たなキャストが発表された。女性陣では吉岡の同期社員役に石橋杏奈、そして別部署に務めるデザイナーを鈴木紗理奈と瀬戸朝香が務めている。いかにも豪華なラインアップだが、これがカオスを呼んでいるというのだ。テレビ誌のライターが指摘する。
「予断なくこの顔ぶれを眺めたら、誰がヒロインなのか分からないでしょうね。石橋はホリプロスカウトキャラバンのグランプリ出身で、この3月までは『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)でお笑いにも挑戦するなど芸の幅を広げているところ。知名度の高い鈴木紗理奈は7月に主演映画『キセキの葉書』が海外の映画祭に出品され、主演女優賞を受賞したばかり。そして瀬戸朝香は今年1~2月に放送されたドラマ『女の中にいる他人』(NHK BSプレミアム)で主演を務めています。このように女性キャスト陣に主役級を揃えてしまったため、肝心の吉岡が埋没してしまう恐れがあるのです」
目立つキャストが何人もいる状態は、麻雀用語にたとえて「多牌」(ターハイ)や「ツモり過ぎ」と呼ばれることも。群像劇ではあえて多牌にすることもあるが、今回はなにより吉岡を目立たせるのが第一義のはずだ。それがなぜ、こんな多牌にしてしまったのだろうか。
「本作は吉岡と桐谷健太、そして向井理との三角関係が物語の軸。しかしこれでは桐谷と向井が一人の女性を奪いあう図式に見えてしまい、吉岡の主役感が失われかねません。そこで女性陣に重量級をそろえ、男性陣とのバランスを取ることで、その中心に吉岡がいるという相関図を描きたかったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
果たして吉岡は並み居る先輩キャストを脇に従え、初の連ドラ主演を成功させられるのか。その演技力と存在感が問われる作品になりそうだ。
(白根麻子)