数多くのファンをもつ男子フィギュアスケートのエース・羽生結弦選手。神戸にある弓弦羽神社は、「ゆづる」に「羽」まで名前に入っているということで、彼のファンが詰めかけることで有名だ。
14年の2月、ソチ五輪に出場する前には羽生選手の活躍を祈願するファンが殺到し、たくさんの絵馬がかけられ、参拝客は通常の10倍以上、そして優勝後には、20倍以上の参拝客がつめかけたという。その後も羽生の活躍とともに参拝客は増え、絵馬所には山ほどの絵馬がかけられている。
その山盛りにかけられた絵馬の中に一つ、びょうで動かないように固定された絵馬がある。それは羽生がみずから奉納した絵馬だ。そして、その絵馬には、さらにほかの絵馬が結びつけられ、そこだけ小山のように飛び出ている状況なのだ。
優勝祈願なのか、優勝御礼なのか、気になるのはその文面だ。だが、そこには思いがけない言葉が書かれていたのだ。
「皆様の思いが私の背中を押してくれています。心からの感謝を、そして、皆様が皆様の幸せを感じられますように。7月2日」
なんとファンへの感謝が綴られていたのだ。
「羽生選手はファン想いであり、また、ファンへも礼儀正しいことでは定評があります。この神社にこんなに皆が祈願してくれたことが心底うれしく、感謝を表したかったのでしょう」(スポーツ紙記者)
この羽生のファン想いの行動には、多くのファンが改めて胸をドキュンと射抜かれたのではないだろうか。
(芝公子)