19日の放送で、最終回を迎えた連続ドラマ「明日の約束」(フジテレビ系)。平均視聴率こそ振るわなかったものの、井上真央演じるスクールカウンセラーの藍沢日向が、不登校の男子生徒・吉岡圭吾の不可解な自死の真相を巡って、「毒親」「イジメ」といった問題と真正面から向き合う骨太のストーリーに称賛の声が寄せられている。中でも最終回で、学校を退職することになった日向が、全校生徒を前に行った挨拶のシーンが圧巻だった。
「5分以上に及ぶスピーチの中で『私がこの出来事の中で、今一番許せないと思っている人がいます。それは亡くなった吉岡圭吾君です』『辛かったら逃げてください』『生きて逃げることを第一に考えてください』『明日を生きているということが、何よりも大切だと信じてください』といったセリフに称賛の声が上がっています。自死した人を否定するタブーも辞さないこのスピーチは、タイトルの意味を際立たせ、ドラマ最大の見せ場になりました」(テレビ誌ライター)
ネットでも井上真央の演技を称えるコメントと共に「ドラマのメッセージが込められていた」「涙が止まらない」「これからの人生で思い出したい」といった書き込みが溢れた。しかし、このシーンに注目が集まった理由は、それだけではないという。
「ドラマのエンディング曲は、韓国出身のユニット東方神起の『Reboot』。この歌には命をテーマにしたメッセージが込められています。放送の前日にSHINeeのジョンヒョンの自死が報じられ、最終回を観たファンからは『最終回のドラマの内容、ジョンヒョンに伝えたい内容で涙が止まりませんでした』『生きている間にあなたに伝えたかった』とジョンヒョンの死を悼む声が寄せられているのです」(音楽誌ライター)
ジョンヒョンは、東方神起と同じ事務所の後輩。東方神起の背中を見て育ってきた弟のような存在だと、事情通は言う。
「19日に『スッキリ』(日本テレビ系)に出演した東方神起の2人は、表情も硬く、ジョンヒョンの死について話を向けられると言葉を詰まらせていました…」(女性誌記者)
演技派女優として改めて高い評価を得た井上。ドラマ「明日の約束」は、記録(視聴率)より、記憶に残る名作となった。
(窪田史郎)