ふと気がつけば、口を開けて“口呼吸”をしていたということはありませんか? 実は、呼吸の仕方ひとつで、風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなったりするんだとか。また、痩せやすい体をつくることもできるのだそうですよ。
パトリック・マキューン氏の著書「トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法」(株式会社かんき出版)では、口ではなく、鼻で呼吸を行うメリットとして、次のことが紹介されています。
●吸い込んだ空気が肺に入る前に、いらないものを取り除き、温めて湿気を与える
●心拍数を下げる
●一酸化窒素が肺に送られ、気道と血管が広がる
●酸素が全身に効率的に行き渡る
●動いている筋肉にたくさん酸素が送られるので、疲労物質の乳酸が減少する
鼻呼吸によるメリットがある一方で、逆に、口呼吸では、デメリットがたくさんあるようです。風邪などで鼻が詰まっている夜は、睡眠中に無意識に口呼吸をしてしまい、翌朝に口内が乾燥しきっていることがありますよね。こうなると、口内の殺菌作用が弱くなってしまい、病原菌を直接体内に侵入させてしまうことも。このことからも、鼻呼吸を行うことの健康効果には納得させられますよね。
また、アスリートが高地トレーニングに取り組んで心肺機能を鍛える話題はよく聞きますが、実は、鼻呼吸は高地の環境に身を置くのと同じような効果があるそうなんです。人の体は、酸素が不足すると赤血球の数を増やし、筋肉に酸素を運ぶ働きを高めようとします。これが、運動パフォーマンスの向上や、体を疲れにくくするために役立つのです。高地トレーニングの結果、平地での酸素供給力がアップするように、鼻呼吸で栄養素や酸素が十分に行き渡れば、体内の働きも活性化されますから、代謝アップ効果も期待でき、痩せやすくなるというワケです。
鼻呼吸を習慣化するには、口を閉じて鼻で呼吸することを心がけるだけ。こんな手軽な方法で、運動パフォーマンスや代謝を高めることができるんですよ。ダイエットや健康維持の一環として、取り入れてみる価値はありそうですね。