ハイチ系アメリカ人の父と日本人の母を持つプロテニスプレーヤーの大坂なおみが大金星を挙げた。3月7日から開幕した「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ)で、ロシアのダリア・カサキナと決勝で競い、大坂がストレートで勝利。ツアー初優勝を果たした。
今大会で大坂は、1回戦で元世界1位のマリア・シャラポワに勝利。準決勝で現世界ランク1位のシモナ・ハレプに勝利。いずれもストレートで勝ち上がった。
大坂が観客を魅了したのは、パワフルでアグレッシブなプレーだけではない。
1月20日の全豪オープン3回戦で、世界ランク17位の開催国アシュリー・バーディにストレート勝ちした、当時ランク72位の大坂。その勝利インタビューで「本当に幸せだけど、申し訳ない気持ちでもいます」とポツリ。続けて「なぜなら、みんな彼女の勝利を本当に期待していたことを私は知っていました」と、バーディを応援していた観客に謝ったのだ。この謙虚なスピーチに観客からは約7秒間、惜しみない拍手が送られた。
また、今回の優勝インタビューでは、開口一番「ハロー」と呼びかけ観客を笑わせた。その後は、礼を言うべき人を懸命に思い出しながら話し、最後には「こんなスピーチ、過去最悪よね」と恥ずかしそうに笑顔を見せた。
この勝利にテニスファンからは「フィジカルだけじゃない、テニスセンスがすごい」「ダブルフォルトのあとにサービスエース。メンタルが素晴らしい!」など称賛し祝福した。
「大坂は、3歳からずっと父と二人三脚で選手生活をしていました。彼女は、内弁慶で感情を抱え込む性格。試合中には負の気持ちを自身にぶつけることもありました。ですが、セリーナ・ウィリアムズのヒッティングパートナーを8年も務めたサーシャ・バジンが昨年からコーチにつき、大坂にポジティブな言葉を投げかけ続け、彼女を成長させました」(スポーツライター)
大坂の快進撃がどこまで続くか、テニスファンならずとも期待が集まる。