米国で開催されたテニスのBNPパリバ・オープンの女子シングルスでツアー大会初優勝を果たした大坂なおみ選手。この大躍進に、大坂選手の祖父で根室漁協の大坂鉄夫組合長が3月29日、根室市役所で会見を行った。
大坂組合長は、優勝の翌日に「強くなったね」と電話で祝福したこと、娘の環さんを通じて「生意気にならず、愛される選手になってほしい」と伝えたことなどを話した。
この会見を受け、4月1日放送の「サンデーステーション」(テレビ朝日系)では、改めて大坂氏に「会見をした理由」などについて報じた。それによると大坂氏は、孫であるなおみ選手が大活躍している一方で、ネット上では「日本語が喋れない」「日本人選手には見えない」などのコメントが散見されることに「日本にルーツがあるということを知ってほしいという思いがあった」と語った。
確かに、一部ネットユーザーから、文字にするのもはばかれるような、差別的文言が寄せられているのは事実だ。
スポーツライターは「嘆かわしいこと」と悲嘆する。
「昨年、作家のカズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞した際、日本国民は手放しで称賛しました。彼もインタビューには、全て英語で対応していました。それなのに、大坂選手に対して、心無いコメントがネット上に躍るのは不思議でなりません」
大坂選手は来年の10月に22歳を迎え、アメリカ国籍か日本国籍かを選択する。今のところ、日本国籍を選ぶと言われているが、その日本で差別的バッシングが続けば、別の選択肢もあるのかもしれない。