今年1月期のドラマ「アンナチュラル」(TBS系)で、無口で謎めいた“ドS”な法医解剖医・中堂系を演じ大好評を博した俳優の井浦新。3月に公開された主演映画「ニワトリ★スター」では、くたびれた薬物の売人役を見事に演じ、役者としての幅の広さを見せつけた。
井浦は20歳のときにモデル活動を開始し、やがて服づくりにも興味を持つようになりブランドを設立。それとほぼ同時期、映画監督の是枝裕和氏から声がかかり、映画「ワンダフルライフ」に主演、役者人生をスタートさせた。寡作ながらも演技派として強烈な印象を残してきた井浦だが、実は俳優を目指していたわけではなかった。
「洋服作りという本業があったため、俳優業には“思い出づくり”に飛び込んだと雑誌のインタビューで語っています。こんな役がやりたいといった、普通の新人俳優が抱くような感覚はまったくなかったとか。初出演作も人生の“記念”みたいなものだったそうです」(映画誌ライター)
その井浦が“記念出演”した映画から、20年も役者人生を続けているのだから不思議なものだ。
「井浦は監督をはじめ、共演者やスタッフとの出会いが大きかったと語っています。こうした出会いを通じて、チームで作品を作り上げる楽しみや演じることの難しさを知り、俳優の世界に引き込まれていった。いわば井浦は人が好きで、人に引き込まれるタイプの役者だといえますね」(前出・映画誌ライター)
ここ数年は映画やテレビのオファーが途切れず、多忙を極める井浦だが、役者業の合間を縫って、バラエティ番組に出演したことがあった。
「昨年11月17日に放送された『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)に出演しました。普段、バラエティ番組に出演しない井浦ですが、この日は大ファンである、お笑い芸人のサンシャイン池崎が出演するということで快諾したそうです」(テレビ誌記者)
ほれ込んだ人のためなら一肌脱ぐ、というのがポリシーのようだ。
(石田英明)