子どもが年中・年長期になると、「文字を教えた方がいいのでは」「絵本や図鑑を読ませたい」「でも、何から始めればいい?」と、悩むお母様方が増えます。文字も、知識も、さまざまなところから吸収していくのが子どもです。ですから、文字⇒本という順番にこだわらなくても、図鑑なのか辞書なのかを迷う必要はないでしょう。
図鑑を宝物にし、暇さえあれば開いて見ている子は、ものの名前だけでなく文字を覚えるのも早いです。辞書も同様。リビングなどで「これ、どういう意味?」という会話があったときに、家族が当たり前のように辞書を開きに動く姿があれば、子どもも辞書を引くことに抵抗感を抱きません。むしろ、お母さんのように上手に引きたくて、勝手に開いたりするかもしれません。
子どもの目線で選ぶとすれば、「絵が書いてある」「ふりがながふってある」ものを選ぶ、ということくらい。他のアドバイスとしては、子どもが興味を示したものを(ない場合は、お母さんが興味を持っているものでもOK)、リビングの“目につくところ”に置いておくのがよいでしょう。
本棚や押入れに入れてしまうと、子どもが主体的に手にとって調べる機会がほとんどなくなってしまいます。お母さんに「読みなさい」と言われて動く子は稀。気づいたら自分から開いてしまう仕掛けをつくってあげることが大切なのです。
「図鑑や辞書を読むことが楽しい!」というイメージがつけば、自分からどんどん学びを深めていくのが子どもたちです。ぜひ、お母さん自身が、何かわからないことに出合うたびに辞書を引いてください。時間のあるときにペラペラと図鑑を開き、「へぇ~!面白い!」とお母さんが楽しむ姿を見せてあげましょう。大好きなお母さんが楽しそうにしていることは、子どももやりたくなってしまうものなのです。
絵本でも図鑑でも辞書でも、「かわいい!」「見やすい!」「わかりやすい!」と、何か一つお気に入りポイントがあるものを選んでください。その一冊を皮切りに、子どもはさまざまなものに興味を持って、学びのドアを大きく開いていくことでしょう。
(Nao Kiyota)